王妃のスキャンダル
ももかは机の上に数枚の写真を出す。
そこには新聞に掲載された令嬢とそっくりな少女がスーツ姿の男と写っている写真があった。
「この写真はどこで入手したんだ?」
「学校の教室中の黒板に貼られていたんです。その一部を持ってきました。」
3月3日。
ももかが登校したときのことだった。
級友達が黒板の前で騒いでいた。
「ごきげんよう。何かあったのかしら?」
ももかは群がる級友達の中へと入っていく。
「あらごきげんよう。ももかさん、貴女のお姉様大変ね。
「ウィーンで殿方との遊びでも覚えてきたのかしら?」
「あの、お姉様がどうかされたの?」
ももかは級友達の言ってることに理解できずにいた。
「さあ、ご覧になって。」
ももかは黒板の前へと連れてかれる。
「これはどういうこと?!」
目の前にはお姉様が見知らぬ男性と一緒に写ってる写真があった。銀座の街中を歩いているもの、男性に肩を抱かれ喫茶店へと入っていくもの、極め付けは色街で相手の男性と唇を重ね合わせてるものだ。
「ねえ、誰がこんなことしたの?!」
「私にも分からないわ。今日一番に教室に来たけどすでにあったもの。他の教室にも貼られていたわ。」
級友の1人が答える。
ももかは黒板に貼られている写真を剥がすと教室を出ていく。
「ももかさん、全部の教室回って剥がす気かしら?」
「まり様のことになると必死よね。」
「仕方ないわ。まり様以外話す相手いないんですもの。」
「でもいいんじゃないかしら?親のいないももかさんと男好きのまり様、この女学校に相応しくない者同士お似合いだわ。」
「ふふふ、そうね。正直まり様私好きではないわ。ウィーン留学か何か知らないけど西洋被れで気取って鼻につくわ。」
級友達はももかがいなくなると彼女とまりの陰口を始める。
時を同じくしてまりの級では。
ドレス姿のまりが袴の級友達に机を囲まれていた。
「まりさん、男性とお付き合いあったのね。知らなかったわ。」
「ウィーンでは人前で平気で口づけをなさるの?まあはしたないわ。」
級友がまりに写真を見せる。色街で男と唇を重ね合っている写真だ。
「何のことかしら?」
まりは写真から目を反らす。
「わたくし、こんな人知りませんわ。」
「しらを切るつもり?ではここに写っているのはどなたかしら?」
「そのくらいにしたらどうですか?」
まりの級友は腕を掴まれる。
「あら、2年生の貴女がどうしてこんなところに?」
掴んだのはももかだった。
ももかは写真を奪い取るとその場で破き出す。
「お姉様は知らないって言ってるじゃないですか。行きましょう。お姉様。」
ももかはまりの腕を引いて教室を出ていく。
「まりさん?」
入り口で登校してきた黒髪を下ろした美女如月美鈴と鉢合わせる。
「あら、まりさんどこに行かれるのかしら?もうすぐ朝礼が始まるというのに。」
美鈴は黒板に目をやるとほくそ笑む。
「あら、きっと男遊びがばれて学校にいるのが恥ずかしくなったのね。」
美鈴は黒板に近くと写真を剥がす。




