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乙女探偵団が通る  作者: 白百合三咲
大正シンデレラ
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囚われた姫達

 ゆきが高宮家に潜入して1週間が経った。黒い服の男達は公爵の書斎に出入りはする。しかし怪しい点はない。

ゆきはメイド頭にそれとなく聞いてみた。

「あの、ご夫妻にお子様はいらっしゃらないのですか?」

メイド達の表情が一瞬強張る。

「いないわよ。」

メイド頭がとっさに答える。

「そんな無駄話はいいからこれ旦那様の書斎に持っていきなさい。お客様が来ているんだから。」

ゆきはお茶が3人分入ったトレイを渡され書斎へと向かう。



 ゆきが書斎のドアをノックしようとした時

「旦那様、あの娘そろそろですよね?」

「そうだな。そっちは何人くらい集まった?」

中から話し声が聞こえてきた。

「20人だ。」

「よくやった。ももかとかいう娘も一緒に明日港で引き渡そう。」

(やっぱりあの人達斡旋業者だったのね。)

「失礼致します。」

ゆきはノックをして部屋へ入る。まるで何も聞いていなかったかのように。

書斎にいたのは旦那様とよく出入りする男が2人いた。

「お飲物お持ち致しました。」

ゆきはテーブルの上にカップを並べる。

「君」

旦那様に話しかけられるゆき。

「見馴れない顔だね。新入りか?」

「はい、1週間前から働いております。」

「そうか、覚えることは多いが頑張りなさい。」

「はい、ありがとうございます。」

ゆきは安堵の表情を浮かべ書斎を後にした。一瞬話を聞かれたのがばれたと思いひやっとしていた。

(こうしちゃいられないわ。急いでえりちゃんに連絡を。)



ゆきは誰もいないことを確認すると廊下にある固定電話を手に取る。ゆきがかけた先はえりの探偵事務所だ。

(お願いでて。)

「もしもし、ゆきちゃんか?」

願いが通じたのかえりが電話に出てくれた。

「えりちゃん?良かった。」

「どうしたんだ?」

「大変なの。ももかちゃんが明日港で引き渡されるって。高宮公爵は他にも女の子を集めて、、、」

その時ゆきは背後から何者かに口を塞がれる。

「うう、」

「ゆきちゃん?!」

電話の向こうからはえりが呼び掛ける声がする。しかし電話は切れてしまった。



「ゆきさん、ゆきさん」

ゆきは自分の名前を呼ばれ目を覚ます。そこは牢獄の中だった。一面木でできており、ベッドが1つあるだけだ扉は硬く閉ざされびくともしない。

自分は睡眠薬か何かを嗅がされこの場所に連れて来られたのだろう。

「ゆきさん。」

牢獄にはもう1人少女がいた。ピンクのブラウスに黒いフリルのジャンパースカート姿の。

「ももかちゃん?!」

牢獄の先客はももかだった。彼女は逃げようとしたが黒服の男達に取り押さえられここに連れて来られたのだ。

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