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乙女探偵団が通る  作者: 白百合三咲
大正シンデレラ
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有力な助っ人

 翌日えりは伯爵家のお屋敷を訪れる。

「すみません、仕事を探しているのですが。」

えりは執事としてお屋敷に潜り込みももかを救出しようと考えた。

ほどなくしてメイドが出てくる。中年の女性でメイド頭であろう。

「あの、こちらで執事として働かせてもらえないでしょうか?」

「悪いがうちは男性の使用人は雇わないことなってるんだ。」

「僕、いや私以前は宮家に仕えていまして。」

えりは咄嗟に嘘をつく。

「申し訳ないけど他をあたっておくれ。」

メイド頭はそれだけ言うと門を閉める。

屋敷に忍び込むことも無理なのか。

諦めて帰ろうとした時だった。

一台のリムジンがえりの前に止まる。ももかの父親が帰ってきたのだろうか。しかし後部座席からは着物の女性が降りてきた。彼女は容子夫人ではない。

「貴女が小宮えりさんね。」 

「はい、そうですが。」

女性はえりを車に乗せると出してと運転手にお願いする。 

車が着いたところはまりの邸宅だった。



 えりは女性と共にまりの部屋へ通される。

部屋にはまりの他にはゆきがいた。

「ゆきちゃん?どうしてここに?」

「私が皆を集めたの。これが新乙女探偵団よ」

えりを迎えに来てくれた女性は湖山春花。14年前の誘拐事件の被害者で唯一戻ってこれたのだ。

「私がお願いしたの。協力してほしいって。」

「わたくしもこれ以上被害に会う少女が1人でも少なくなると思いゆきさんに協力することにしました。天津での日々はもう思い出したくもありません。だから一刻も早くあの夫婦を捕まえましょう。」

「とは言ったものの屋敷に使用人として潜り込むことも無理だな。」

「あの家は男は雇わないわ。」

春花が口を開く

屋敷に捕らわれている少女達は皆アジア諸国の娼館に売るつもりだ。男がいれば傷物にされたり、恋に落ちて逃亡の手助けをする恐れもある。だから屋敷の使用人は全員女性である。

「それなら私が行くわ。」 

そう声を上げたのはゆきだ。ゆきなら顔も知られていないからメイドてして潜り込める。ゆきはももかを探し出して屋敷から連れ出そうという。

「だけどゆきさん1人では危険だわ。わたくしも以前屋敷から一度逃げようとしたけれど使用人に捕らわれて地下牢に閉じ込められてしまったわ。」

使用人達は女と言えども商品である少女達を監視する義務はある。皆武術を心得ているものばかりである。 

「そうだ。」

えりが沈黙を破る。   

「春花さん、斡旋業者に引き渡されるときってどこでした?」

「確か港だったと。無理矢理車で連れて来られ船に乗せられました。」 

「だったら斡旋業者か船乗りに化けて捕まえればいいんだ。」

しかしこの人数では無理だ。そのとき

「だったらその役目僕が引き受けよう。」

そう言って部屋に入ってきたのはまりのダンス講師みずきであった。

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