売られた令嬢
ここは少女画報編集部。少女雑誌を作る部署でここには挿し絵を載せる画家や特集記事を組まれた少女歌劇のすたあや華族令嬢達が写真撮影や記事のいんたびゅーで訪れる。
午後1人の訪問者があった。
「すみません」
「ゆきちゃん?どうしたの?原稿なら昨日受け取ったわよ。」
訪問者はゆきだった。
「篠山さん、こないだ見せてもらった少女誘拐の記事見せてもらっていいですか?」
「もしかして次回作少女誘拐を書く気になったの?」
「それもあるのですが」
ゆきはももかの言った天津のフランス疎開にひっかかっていた。
記事には誘拐されたのは華族の娘ばかりであること、また彼女達に似た少女がアジア各地の娼館で目撃されたということが入っていた。その中に天津も含まれている。
「ねえ、篠山さん。この事件の犯人って捕まってないの?」
実行犯の男数名と娼館の女玄が捕まり、華族のお偉方に頼まれてやったと取り調べで自供した。華族の名前は高宮。爵位は公爵だ。一度は捕まったが証拠不十分ですぐに釈放されている。
「ゆきちゃん」
篠山か記事を持ってきた。10年前の手記で誘拐されて戻ってきた令嬢のいんたびゅーが書かれている。彼女は最初はいんたびゅーは断ったが自分のような思いをした少女のためにと思い取材に応じた。
誘拐された少女の名は湖山春花。伯爵令嬢だった。少女は誘拐ではなく最初は貴婦人に天津のフランス祖界に新しい花嫁学校ができるからどうかと誘われた。
「その貴婦人というのが高宮公爵夫人ね。」
春花の両親も夫人から話がフランス人の貴婦人からテーブルマナーやダンスを本格的に学べると聞いて賛成してくれた。
しかし春花が連れられて来たのは花嫁学校ではなくホテルのような場所で宿泊部屋が多数ある施設であった。彼女はそこで「からゆきさん」と呼ばれていた。
しかし運よく日本から来た帝都大の留学生が彼女を見つけ身請け。無事に両親の元に返されたという。
「篠山さん、この春花さんって方のいんたびゅーは雑誌には掲載されなかったの?」
「さすがに内容が内容だったから連載は取り止めになったわ。」
「この方今どうしてらっしゃるの?」
「確か今はその身請けしてくれた学生と結婚したってきいたわ。」
「ありがとう。」
1週間後ゆきは春花に取材をするため上野に住む彼女の自宅を訪れることにした。篠山の計らいで取材に応じてもらえることになった。
ゆきが身支度していると
「なあ、ゆきちゃんその新聞」
えりは新聞紙に目をやる。それは少女誘拐の主犯である伯爵夫妻逮捕の記事だ。
「これ、事件の記事よ。春花さんっていうかつての事件の被害者がこちらの夫妻に舞踏会で話しかけられたとか。」
えりは夫人に似た女性がももかと一緒に庭園で話していたところを見たという。
「ももかちゃんが危ない。」
その時来客を告げるベルがなった。
ゆきがドアを開けるとまりが立っていた。




