第7話 フレミングの法則は右手と左手で意味が違う
シーヤンムスクに到着したアドラスたち。はたして自分たちの村人は探せるのか。
シェードに村人の居場所を聞かれ、そもそもいるわけがないなどと言えるわけもなく、アドラスは声のトーンを下げてシェードに言った。
「あまりそういう話は公でするな、シェード。お目当ての村人がどういうシチュエーションでこの街に留まっているか分からないからな。」
「あそっか!すんません、アドラスさん!」そう言って手のひらを合わせてすかさず謝るシェードを見て、ごめんな…とアドラスと作者は思った。
アドラス「まずは宿探しだな。シェード頼んでいいか。俺はちょっと先に済ませておきたい用事がある。」
「了解っす!手頃なとこ探しておきますね!」シェードはそう言うと右手でフレミングの法則を作った。彼なりのサムズアップ(いいね)であった。そんな設定にされたシェードを見て、ごめんな…とアドラスと作者は思った。
シェードに宿探しを頼むと、アドラスは情報屋を探した。頼みの綱であるUSBの中身を一刻も早く知る為である。
街を少し歩くと、やたら動物の着ぐるみたちをアドラスは目にした。子供たちに風船を配っている以外、特段おかしい所はないのだが、こうもいたるところで見かけると異様な光景であった。街の人口が多いにも関わらず、犯罪率が少ない街だから、てっきり警官をたくさん配置でもしているのかと思っていたアドラスの予想は当たらなかった。
しばらくして、街の入口からだいぶ奥に入ったところで情報屋を見つけた。
「いらっしゃい、何をお探しで。」店主は腰を低くしてアドラスに近づいた。
「すまないが、このUSBの中身を知りたい」そう言って3つのUSBを店主に渡した。USBを1つ手に取った途端、店主の眉毛がピクリと動き「お客さん、これをどこで?」と聞いてきた。
「この中身を知ることができたら教えよう」アドラスは交換条件を出した。情報はお金になるということをアドラスは理解している。
「へへ、それなら聞くのはよしておきましょう」店主は苦笑いをして、店の入口を指差してこう続けた。「ここを出て右に行って、突き当たりを左に曲がったところに電気屋があります。そこの店頭に並んでるパソコンに差せば中身が分かりますぜ。」
(ただの道案内だし、それって犯罪じゃねーか)と思ったアドラスではあったが、他に中身を知る方法がないため、文句は言ってられない。情報料を払い、店を出る。
「お客さん、そのUSB、相当ヤバいもんですけど使いこなせたら大金持ちだ。グッドラック!」そう言って店主はニヤリとしながら、左手でフレミングの法則を作った。




