第8話 パソコン
アドラスは早速情報屋に教えてもらった道を行き、目的の電気屋に着いた。
店内を見回すと確かに店頭にはテレビやスマホと一緒に、パソコンがズラッと並んでいる。しかし情報屋のアドバイス通りにすんなりUSBなんて差せるものだろうか。いや、差せたところで中身を悠長に閲覧する暇なんてあるだろうか。他の客がパソコンに触ろうものなら、「4番オッケー」と言わんばかりに店員の執拗なマークが始まるのを目の当たりにして、アドラスはため息をついた。
そうやってパソコンコーナーで途方に暮れているアドラスにも、やはりすかさずマンマークがついた。
「お客さま!パソコンをお探しですか?」「ま、まぁ。」「そうでございますか!で、どのようなものをご希望でしょうか?」「そうだな、えぇっと…持ち運びに便利なもの、かな。」「そうでございますか!それでしたらこちらなんていかがでしょうか?」そうやって1分もかからないうちに、あるパソコンの前にアドラスは誘導させられた。
「こちら、TMPの最新モデルとなっておりまして、最新OSを搭載しつつ、重さがなんと600グラムを切っております!ヤングジャンプよりも軽いでございます!更にこの最新モデル……」
店員の長々とした説明を流しながら、アドラスはどうにかUSBの中身を確認できる方法を模索していた。
店員が性能の説明をしてる時、アドラスはとっさに閃いた。「ちなみにUSBも読み込めるんですよね?」「勿論でございます!」「読込み速度、試してみてもいいですか?」「勿論でございます!」
アドラスは1つのUSBを取り出し、パソコンに差した。やがて中に入っていたフォルダ名が出てきた。
【10年日記 シュティーユ】
「ち、違うUSBを試してもいいかな」アドラスは残りの2つのうち、1つを取った。せめてまともなデータでありますようにと祈りながら。




