第9話 通りすがりも捨てがたい
まともなデータでありますように。そう祈ってパソコンに差した2つ目のデータのファイル名は、【7人の村人を探すにあたり】と表示された。
「ぃよし!」思わずアドラスは腰のところで小さくガッツポーズをした。そしてすかさずダブルクリックをして中身に目を通し始めた。
「気に入って下さりありがとうございます!この通り、読込み速度も抜群でございます!」アドラスが口走った言葉が、読込み速度に対しての感想だと誤解した店員を横目に、アドラスは重要な項目を探すために集中力を高めながら中身を読み込んでいた。それはUSBの読込み速度にも匹敵する速さだったと、後に店員が話していた。
そして、膨大な情報の中からアドラスは次の説明文を見つけた。
【村人を探すときには、何よりこの3つのUSBがお前の助けとなる。まず全部連結させた状態で、お前の好きな仮面ライダーの決め台詞を叫びながら空中へ放り投げるのじゃ。そうすれば1番近い場所にいる村人の場所を示してくれるのじゃ。
次に、探している村人が近くにいる時は、最高で100m以内までならアナウンスをしてくれるのじゃ。】
店員の笑顔による無言のプレッシャーで、これ以上データを眺めることができなかったアドラスであったが、とりあえず村人を探す手段は把握することができた。
電気屋を出て3つのUSBを取り出してみると、なるほどロケットペンシルの様に連結することができる構造になっている。アドラスはなるべく人通りの少ない路地裏を探し、こう叫びながら連結させたUSBを放り投げた。
「さぁ、お前の罪を数えろ!」




