第29話 コロナで妖精。Yo Say!! 妖精!!
「あなたの言うことが間違っていないとしても、やはり一度シヅゑさんには会わせてほしい。この通りです。」
そう言ってアドラスは腰を深々と曲げた。と同時に自分に声をかけてくれたマフェスタの位置を、下げた頭で追っていた。そんなストーカーまがいのことを平然とやってのける。そこにシビれないし憧れない。
そんなことをしているとは露知らず、リフィールはしばらくアドラス一行の面々を品定めするように見回した。アドラスという男、一見この一行のまとめ役のように見えるが、他の者からの視線に尊敬の念がいまいちこもっていないように見える。そしてシェードという男、見るからに暴力的な外観からは想像もできないようなテーブルマナーを先程から披露している。そしてマフェスタという女性………ボーイッシュな髪から覗く顔立ちはとてもキュートで、そのくせ瞳はつい引き寄せられてしまうほどの妖艶さを持つ。美しい。あぁ、美しい。できることならこのマジレグンに残ってほしい。マジレグンなだけにマジ卍に強く願うリフィールであった。アドラスに負けず劣らずのエロ男爵であった。そこにシビれないし憧れない(2度目)
アドラスとリフィールがそれぞれバカな思いを巡らせている間に、ウィルゲンが口を開いた。
「アドラスさん、同じ村出身とはいえ、他の人と違ってそう簡単には接見できない御人なのですよ。シヅゑ様はそれだけ尊い方なのです。横にいらっしゃるリフィール様といえどそれは同じことなのです。ここは諦めて頂けないだろうか。」
(丁寧に遠慮されると、やめておこうかなってなるわー。それに、なんかこっちが間違っている気持ちになるわー)
アドラスがそう思ってシェードの方を見ると、まさかアドラスがもう一押しどころか、ヘタっているなどとは微塵も思っていない真っ直ぐな目をこちらに向けている。マフェスタはピリピリしているマジレグンの重鎮たちに対して神経を研ぎ澄ませている。
一向の顔ぶれを見て、ですよねーと自分の不甲斐なさを戒めたアドラス。
「そこをマントラ」何とか、というつもりがとてつもない言い間違いをしたアドラス。
「そう言われてもですねぇ」とリフィール。気持ちは伝わっていたようだ。
平行線の中、今まで静かに傍観していたロンドが口を開いた。
「リフィール様、ウィルゲン大佐。彼らも遠路はるばるやって来た途端に門前払いというのは流石に酷かと。どうでしょう、シヅヱ様にお話を伺うだけでも宜しいのでは。」狐目の細い目をより一層細くして2人に目線を送った。
アドラス「おぉ、ロンドさん。そう言ってくれると話が早い。」
ロンドの提案にウィルゲンだけでなく、リフィールも考えを改めシヅヱ本人に意見を聞く流れとなった。
「シヅヱ様に伺っている間、しばし遊びでもどうでしょう」
狐目の細い目をより一層細くしてアドラスたちに目線を送ったが、目が細すぎて彼らには届いていなかった。




