第27話 ケンカの仲裁って勇気いるよね
死んでもらうという明らかな殺意を向けられたアドラスは、慎重に言葉を選びながら軍服の3人に答えた。
「そそそそそそそんなわけないじゃないか(某えなりかずき風)」
嘘はバレバレだった。
「じゃいいでSU-------」
バレてなかった。
「いきなり疑ってすまなかった。」
そう言うと軍服の3人はアドラスたちにゆっくりと近付きながら更に話し掛けてきた。
「マジレグンに来訪する者たちを選別するのは勿論のこと、シヅゑ様の命を脅かす脅威を除くことは、何物よりも優先すべき仕事なものでね。おっと申し訳ない、紹介が先だったな、私の名はウィルゲン。後ろのガタイがいい方がフェルディーグ、キツネ目の方がロンドだ。」ウィルゲンの紹介に合わせて後ろの2人が会釈をした。
自分たちは人を探していて、そのうちの1人がマジレグンにいるかもしれないことを伝えると、いくつかの検査の後でアドラスたちをマジレグンに迎え入れてくれた。更に検査の間に、先ほど突然現れた壁の仕組みや軍の体制など、マジレグンにとって致命的にならない程度に説明も受けた。
「すげぇ…速い速度で街に向かってくるものに対して自動で壁が出てくるんすかぁ。」シェードは耳に入ってくる情報ひとつひとつに感心していた。
「だとしても、僕たちみたいに無傷で済まない場合もあるよね。実際、君のビスタは粉々になってしまったし。」マフェスタは棘のあるコメントを軍服たちに聞こえるように口にした。
「万が一の場合に備えて、医療機関の準備もできている。」低い声でフェルディーグが答えた。
「第一、街に危害を加えるつもりがないなら、そもそもあんな速度で突っ込んでこないけどね。」ロンドが口角を上げて返答を付け足した。
「いやぁ、その点に関してはほんと申し訳なかったっす。アドラスさんが止め方分からないままビスタに乗っちまったもんだから。」ハハハとシェードが苦笑しながら謝った。
「そうですか。それならいいんですよ、えぇ。それが本当ならね。」ロンドは、より口角を上げて微笑んだ。
マフェスタは気付いていた。こうやってマジレグンに入ることはできたが、フェルディーグやロンドは快く思っていない。いや、ウィルゲンですら本心は分からない。喉元過ぎれば何とやらではないが、油断は禁物だと。
一方、アドラスはこのバチバチのやり取りを聞いてはいたが、ビビりすぎて我関せずを貫いていた。それはもう牙突零式並みに貫いていた。




