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極々普通の冒険譚  作者: ネコトイヌ
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第18話 お金で買えるものは結構ある

 自分の息子とその彼女が、というか彼女が部屋を出る条件として、マジレグンにある日焼けマシンを手に入れて欲しいというマプリーの話を聞いたアドラスは、できれば力になりたいということを伝えて、その日はイヌが用意してくれた宿にシェードと泊まることにした。


 「アドラスさーん、なんでやりますって即答してくれなかったんですかぁ。どうせ次の目的地なんだし、引き受けたって問題ないじゃないすかぁー。」

 シェードは部屋にあるイスをショービット(板だけをつま先側へ180°回すトリック)で乗り越えるのを繰り返しながら、アドラスに不満を漏らした。率先して人助けをするガラではないが、目の前で困ってる人を放っておけない性格であった。


 アドラスは諭すように口を開いた。

 「シェード、何でんかんでん…いや、何でもかんでも他人の要求を引き受けるもんじゃない。勿論俺だって力になれると分かれば今すぐにでもマジレグンに向かっているさ。

 しかしな、ここからマジレグンに無事に着けるかどうか。シェード、お前約束できるか?仮に俺らが五体満足でマジレグンに着けたとしよう。その後、目的の日焼けマシンを手に入れて、それをここまで2人で運ぶのか?どんな大きさかも分からない、何より金額はいくらなのか、そもそも売っているものなのかさえも今の俺たちには分からない。

 少し考えただけでもこんなに不確定要素が出てくる。シェード、さっきの段階で要望を引き受けていたら、結果上手く行ったとしても、それは安請け合いと何ら変わりはない。」

 「…す、すいませんした。俺が浅はかだったよ…。アドラスさんが正しいわ。」ため息をつきながら、シェードは下を向いた。石橋を叩いて渡るよりも、むしろ叩きもせず渡らないアドラスのことを、シェードはまだ理解していなかった。かわいそうに、と作者はリビングで思った。

 「俺もこの旅で少しでもアドラスさんみたいな大人に近付けるようになれるかな。いや、なるぜ!いくら成功報酬が300万だろうがよぉぉ!」



 アドラス「シェード。引き受けるぞ。悲しむ人は1人でも少ない方がいい」


 シェード「…やっぱり大人だわ、アドラスさん……」

 シェードはまだアドラスのことを理解していなかった。

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