第15話 後付サクサク♫
理不尽な態度のアドラスに、不安と怒りを感じたネコはすぐさま冷静さを取り戻した。なぜなら、人を制するのに不安や怒りは無用の長物だからである。鞘から手を離したとはいえ、危険人物に変わりはない。全速力でアドラスに近付くと両手を縛りあげようとスピードを殺さないまま体に触れた。
―アドラスにしてみたら、話しかけられると思ってさりげない笑顔まで作った途端、ネコの被り物をした人が凄い勢いで近付いてかるものだから、それはそれはびっくりしたと日記アプリに書いたことを後のインタビューで答えている―
ネコがアドラスの肩や手に触れた瞬間、アドラスの手と脚がネコの体勢を崩すのに1番最短の距離と最弱の力でそれぞれの任務をこなした。ネコは何をされたかも分からず地面に叩きつけられそうになったが、一歩手前のところでアドラスが抱き上げた。相手の力を利用する合気道にも似たこの技術、エドムラサキ。父親から散々体に覚え込まされた武術の1つではあったが、アドラス自身はあまり率先して使おうとせず。あくまで最後の手段として出し惜しみしていた。
「キャッ」
声色から、飛び掛かってきた人物が女性だと分かり、襲われる前の笑顔をもう一度ネコに見せた。
(コイツ強いが、この展開でまたこんな笑顔ができるなんて…やはり、狂気!!!)
アドラスは人見知りであるが、さらに惚れやすいという欠点がある(後付設定by作者)。それ故のスマイルであったが、ネコとの距離は何マイルも離れることとなってしまった。




