第13話 犬のおまわりさん
「ぐふっ」
シェードは衝撃と痛みを感じつつも、なんとか態勢を整えネコと向き合った。ネコは変わらず冷静に、というより冷酷にシェードに対して戦闘態勢を取っている。時間とともに周りのガヤも多くなってきたが、2人をどうこうできる者などおらず、見届けることしかできないでいる。
遠くに転がっているスケボーにシェードが目をやると、拾ったらどうだと言わんばかりにどうぞとネコがジェスチャーをした。
「おぃ、スケボーがないからって俺自体が弱くなったわけじゃねぇーぞ!勘違いしてるんなら、分からせてやるぜ。」
シェードのBPMは200を越えようとしていた。
2人がまさに動き出そうとした刹那のことである。
「その勝負、待つんだワン!!」
張りのある声とともに犬の着ぐるみが2人の間に割って入ってきた。
「ネコ、彼はバッグを盗んだ犯人ではないワン。追わなきゃいけない犯人は既に私が捕まえた。彼は、その犯人からバッグを取り返してくれた、言わば正義の味方だワン。彼が奪い返すのが早すぎて、情報が一時錯綜したワン。」
そう言うと、犬はシェードのもとへ歩み寄り、一礼してからこう続けた。
「まずは礼を言わせてくれワン。この街の者でないにも関わらず、この街での事件に勇敢にも向き合ってくれて本当に感謝するワン。そして、次に我々の無礼をどうか許してほしいワン。彼らもまた、君のように悪事を許せないが故の当然の行動をした結果なんだワン。」そう言って、改めて犬は深々と一礼した。
「だいたい状況はつかめたけどよぉ、なんであんただけワンワン言ってるんだ?」シェードは出会った当初からの違和感を犬に聞いてみた。
「犬だからだろーー! ワン」
「コイツ、設定に変なこだわりあるのよね」
初めてネコが喋った。




