第二十九話 薄れる記憶
お待たせしました!第二十九話です!
懐かしい夢を見た。
あれはまだ小学生だった頃。
確か私は8歳くらいだったかな?
その頃はまだ両親が私をあんな目で見てなかった。
蔑むような目で。
「ねえ、お母さん。これ見て!」
「あら、お花?」
「うん!これ、お母さんにあげるね!」
「ありがとう、リタ。大切にするわね」
…懐かしいな。
あの花、確か押し花にして持っててくれてたっけ。
お父さんもまだ優しかった。
「リタ、あなたが大好きよ」
母のその言葉を最後にその夢は泡のように消えた。
ーーー…
目が覚めるそこにはカルマがいた。
「あれ?…カルマ?」
「よお、起きたか」
「なんでここに?」
「エレイに言われてな。リタが消えたって」
「どうしてここがわかったの?」
「オルバだ」
「オルバさん?」
「オルバがいうにはお前に渡したブローチには自分の魔力が混ぜてあって、その魔力が消えたのがわかったんだとさ」
「え?それってGPSじゃん」
「何わけわかんねえこと言ってんだよ」
わからないという顔をするカルマ。
あれ、もしかしてこの世界にGPSないんじゃないか?
「あっ、カルマのこと気にしてる場合じゃなかった!カルマのことは置いておこう」
「おい!置いとくのか!」
さて、カルマの話しは後だ。
「クラインさんは?」
「クライン?誰だそいつ」
「この城の主だとさ」
後ろから声がした。
「リタさん」
振り向くとそこにクラインがいた。
「…クラインさん」
「……ありがとうございました」
「⁈えっ⁉︎」
「あなたのおかげで懐かしい夢を見た。もうあなたに危害は加えません」
「…そうですか」
するとクラインの周りにホタルのような光が現れた。
「クラインさん⁈光ってる⁉︎」
「リタ、あいつは…」
「夢を見て思い出した。自分が死んでいることを。最後に一つお願いをしてもよろしいでしょうか?」
「な、なんでしょう?」
「この城を燃やして欲しいのです」
「え、でも」
「彼女との思い出を持っていきたいのだ」
「わかりました」
「あと、これをあなたに」
クラインはリタの手の平にペンダントを渡した。
「これは?」
「報酬の代わりです。これは簡単にいえばお守りです」
「ありがとうございます、クラインさん。大切にしますね」
程なくしてクラインは光となって消え、城が燃えるのを静かに眺めていた。
ありがとうございました!よければ感想などお願いします!




