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番外 in 王城

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


「と、言うわけで電波塔設視察は完了しました。工期はウルグレイスが二か月、エトゥーリアがその後三か月、レイジタウンを終わらせてから、最後がエンマです。エンマはクラレンス王都に近いので最後です。計画の修正もありましたし」

「ご苦労様レジー。ところで今日はフィンは一緒じゃないんだね?」

「リマールたちに任せてきた…」


およそ1か月にも及ぶ出張視察は僕の体力気力に大きなダメージを与えていた。

それでも可愛い我が子、獣人のハーフであるフィンは体力が半端ないうえ容赦ない。おかげで僕は少々疲れ気味だ。


そこで騎士団の宿舎に放り込んできたのだが、それは彼らにとっても願ったり…だったようだ。まるで方円の陣でも組まれたかのように、フィンは騎士たちに囲まれ、その間でピンボールのようになっていた


さて、そんなことよりもう一人の息子は元気かな?



「わあ、ルカ…、少し会わない間にずいぶんキリッとしたね」

「『ワープゲート』があるというのに二週間も顔を見せないで…、ルカも私もご機嫌斜めだよ」

「ごめんねルカ。その代わりお土産がいっぱいだよ。エトゥーリアで見つけたからくり人形とウルグレイスで見つけた飛び出す絵本」


「レジー、私には?」

「ワインのつまみが買ってあります。あとでね」


それにしても、フィンの動きと言葉の早さに感覚がバグりがちだが、二週間ぶりのルカは、数歩とはいえ歩く姿もかなり安定していて、1歳未満児にしてはかなりすごいんじゃないだろうか。



「まーまー」

「ママ?ママって言った?」


え?感動…

王家の教育のたまもの?それとも天性?いやー、まさにレッドって感じ。

闊達なフィンこそレッドかと思ったけど…、耳の生えた自由人のフィンはむしろ…、グリーンかも知れない。


「喜んでいるところ申し訳ないけど…ルカの一番初めに発した言葉はパッパだよ」


人の感動に水を差すだと?それならこっちにも考えってもんが…



「あ、そうだ。アルにお任せしてるレイジタウンの開発ですけど、進捗率悪いですよ?アル、今夜の御褒美は無しですからね」


「そんな!いや、違うんだ、あれはルカが急病で…」


「王家にはお抱えの大神官様が居るじゃないですか。ヒールもキュアも一級品ですよね?誤魔化されませんよ。正直にサボったとおっしゃい!」


「その、ルカが可愛すぎて離れがたく…」

「あー…」


そうだった…。アルは人一倍、愛情過多な質だった…。それはもう身に染みている。

子煩悩を強くは責められない。僕は仕方なく今夜の宿泊を了承した。



さて、ひとしきりルカと遊んだら、そこからは大人の時間だ。と、言ってもお酒の方だけど。


「ローランドたちのお式は来年だっけ?」

「ああ。彼らは今まで通り二拠点生活を続けるらしい」


別居婚か…


まあ、パウルがウエストエンドを離れたがらない限りそうなるのも仕方ない。ローランドは僕をあてにしているのだろうけど、便利なタクシーかなんかとでも思っているのかもしれない。

もう面倒だから、時空のダンジョンでもう一つ『ワープゲート』を落としてあげようかとも考えている。ローランドは信用に値する男だ。とはいえ、もちろん交換条件ありきだが。


今のウエストエンドには立派な教育を受けた貴族の子弟が、仕事を求め未来を夢み入領を希望し押し掛けている。

もちろん中には門が拒む保守派の青年もいたりするが、それでもそこそこの人数だ。


うちは来るものを選びまくる楽園である。だからこそ選ばれし者の楽園としてウエストエンドでの保養がステイタスとなるのだ。あそこへ行って帰って来た者は高潔な人格者だ、ってね。


とにかく、役人が増えたのは嬉しいのだが、それを指導する側が少ないという嬉しい悲鳴。でもジレンマ。

役人の育成をローランドに手伝ってもらおう…。彼はその点にかけては申し分ないし。


「ローランドが心配していたよ。エルダー様は子作りに協力して下さるだろうかと」


「アル、その言い方誤解を招くからやめましょうね。でも多分大丈夫ですよ。エルダーは僕の頼みはわりと聞いてくれて…ん?何その顔」

「本当に何も無いのだろうね…」


「し、失礼な!エルダーにも失礼ですよ!」


…あの限りなくキスに近いのは…加護の譲渡だからノーカンで。



「ああ、驚くといけないんで言っておきますね。パウルの子をお願いする時にフィンの弟もお願いするつもりです」

「ええっ⁉ そんなことは有りなのかい?それならルカにも…」


「えー?まあこうなったら五人も六人も七人も変わりませんけど…」



これが大家族の法則、4人目ぐらいから気にならなくなると、前世で近所に住んでた子沢山なおばちゃんがそう言っていた。

それならそれで良いかもしれない。王位を継承するルカには兄弟がいたほうがいい刺激になるだろう。


「いいですよ。エルダーの手は借りますけど、どうせ使うのは僕の狂魔力なんで」

「これほど君の狂魔力を神に感謝したことはないよ」


同感である…




毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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