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番外 call 五つの名前

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


そのミニハイエルフちゃんには、なんと僕の顔にとがった耳が付いていたのだ。


「レジーこれは…?」

「まさかエルダー様まで…?」

「凄まじいね、君の魅力は…」


「ちっ、違いますから!」


一斉に湧き上がる不倫疑惑…


「エルダー!何とか言ってくださいよ!」

「私の落花流水に私は形を以て応えた。それだけだ」


それ誤解が深まるやつ!


非常に不本意な疑惑だが、ヴォルフの「ハイエルフは無性だ」の一言で胡散臭げだがその誤解は一応解けた。

とは言えエルダーが僕を『落花流水』などと呼ぶものだから依然その視線は白い…。いや、ホントに誤解だから…


エルダーからは「兄弟との縁を深めるためにあと暫くここで養育するよう」と厳命を受けたが、多分あれだ。歩き出すまでは面倒だからだ。

けど僕は密かに安堵した。いやー、やっぱりいきなりこれで引き離されちゃうのもね…、寂しいよ。


黒ちゃんはハイエルフの子らしく生まれた時からすでに植物系魔力が開花している。と言ってもレベル3だが。

エルダーはその黒ちゃんに妖精の友という意味をもつ、『エルウィン』という名をつけさっさとエルフの里に帰っていった。

エルフとは親子兄弟であっても淡白なのである。

それにしてもエルフの長でエルダーとか、エルフの友でエルウィンとか…エルフ…、安直じゃない?



「では我々も名を披露しましょう。デュトワ家の初孫となるこの子にはウルグレイスで空を意味する『ラシエール』と命名いたしましたわ」


うんうん。キレイな名前だ。

ラシエールは耽美なセザールをベースに僕要素が顔を出してる感じの優雅な顔立ち。優し気な響きの『ラシエール』ってピッタリ!



「セザール、とても良い名前だ。だが私の子、王位継承者となる『ルカ』もなかなかだろう?」

「『ルカ』…光を意味する名前だね。君の子に相応しいよ」


長男『ルカ』。眩い金の光とともに生まれた金玉ちゃんにピッタリの名前である。

ルカはキリッとしてリア充感のある僕…、とでも言おうか。僕をベースにして絶妙にアルバート要素が主張している、王族に相応しい高貴なお顔だちである。



うちの子達はどうしようか…。実は無策だったりする。するとシュバルツが静かに口を開いた。


「レジナルド、私は既にこの子の名前を決めているのだが…」

「グレーちゃんの?そうだったの。何て名前?」


「グリージオだ。これは父の蔵書に書かれていた異国の言葉でね、『灰色』を意味する」

「今は無き言語だね。それらはエトゥーリアの言葉に統合されてしまったのだよ」



グリージオ…残念ながら僕の乏しい外国語(いせかいご)の知識ではさっぱり分からない。

そこへいくとアルバートはさすがだ。けど『灰色』で良いんだろうか?潔白なシュバルツが灰色って…

そう訊ねると彼は、「この子は私のようにならぬよう、自戒を込めてこの名にしたのだ」とそう答えた。中庸…みたいな意味を込めたのだろうか。…実に良い響きじゃないか。



「ねぇシュバルツ、そのセンスで何かいい案ないかな?」

「センスがいいかは分からないが…、では…フィン…フィンはどうだろう…」

「フィン…」

「これはエトゥーリアの伝説に残る勇猛果敢な騎士の名前でね」

「ウルグレイスにも聞こえているよ。フィン…確か『祝福の白』と呼ばれた騎士の名だね」


伝説の騎士…祝福…白…ほほう……僕では思いつかなかった名前だ。僕は白ちゃんを見ていてミルクとか大福とかしか浮かばなかったのに…


「ジェイコブ!」

「はっ!」

「白ちゃんの名前は『フィン』で」

「畏まりました」



こうして5兄弟の名前がここに決定した。


長男『ルカ』二男『ラシエール』。

飛んで四男、クーデンホーフ家嫡男となる『グリージオ』。グリージオの目鼻立ちにシュバルツ要素は多くない。子供時代の僕を再び、と願ってやまなかったシュバルツの希望が叶った形だ。後日グリージオを見たローランド曰く、浮ついた感の無い僕だとか…。そう言われるとまるで僕が浮ついているみたいじゃないか…。失礼な。


そしてウエストエンドの嫡子である三男『フィン』

なんと…、フィンの頭にはラベンダー色の小さくてふわふわな耳がちょこんとついている。なにこれ、奇跡?



「カ、カワワワワ…、神様からのご褒美?これ色々と頑張った僕へのご褒美なの?」


眼に入れても痛くないとはこの事である。事実手足をバタバタさせるフィンのパンチが眼球にヒットしようが全然痛くない。


順次お祝いに訪れたキングたち獣人は耳の有るフィンに大喜びだ。まさにウエストエンドの象徴だ、って言ってね。


そのフィンは獣人とのハーフらしく、その後ほんの一週間ほどで誰よりも早くハイハイを始めた。

気が付くとすぐにベッドを飛び出しどこかに居るので目が離せない。

この間など階下にいたウィルが目を丸くしながら大慌てで抱きかかえてきた。これは…、歩き出すのもすぐな気がする。

とにかくフィンは耳以外中身も見た目も僕の小さい頃にそっくりである。おかげでジェイコブとクラウスの期待値は天元突破の勢いだ。



ってことで僕と子供たちの日常だが…


「はい。ミルクはもうお終い。お昼寝の時間だよ」

「バブー!」

「あっ、こらっ!フィン何飲んでるの!それはグリージオのミルクでしょ!」

「バブ…」

「グリージオごめんね」

「レジー様、エルウィン様が蔦で哺乳瓶を固定してて離しません…」

「ウィル、レベル3ごとき力づくで引っぺがして」

「で、出来るかな…」

「エリーとフィンは食い意地が張ってて…。誰に似たんだろう?お腹壊すから二人とももう止めときなさい!」

「ブー!ブー!」

「ブーーー!!!」


ブーイング…だと…?


「おい、フィンの食事は済んだか」

「ヴォルフ…。済んだけど何か用?」

「散歩代わりに背中に乗せて西の泉まで連れて行ってやろうと思ってな」

「えー⁉危なくない?」

「バブーゥ!」


ノリノリ…だと…?


「レジナルド、グリージオの食事は」

「済んだよ。何?シュバルツもグリージオをどこかに連れてく気?」

「クーデンホーフの歴史書を読み聞かせようと思ってね」

「…早くない?」

「バブブ」


いいえ…だと?


「じゃあエルウィンは大人しくお昼寝しようか?お昼ね…うわっ!丸太…⁉」

「レジー様…、エルウィン様はこちらに…」

「バブブブブブ!」


笑われた…だと?


「このいたずらっ子!」



一筋縄ではいかない子供たちとの日常はてんやわんやである。






毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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