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ラストダンジョンの隠しボスが日本観光をするようです  作者: 幽人
第4章 竜王が少女であると知ったときの私の気持ちを答えよ
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第3章 ~旅の軌跡~

【異世界清泉 山梨県忍野八海《やまなしけんおしのはっかい》】


【到達難度】:3

 東京(とうきょう)から高速道路を使って車で1時間半(渋滞注意)

 新宿(しんじゅく)駅からバス1本で2時間半


【攻略規模】:2

 休憩なしでも一巡り可能


【攻略難度】:2

 平地を歩くのみ

 屋外であることには留意すること


【異界深度】:5-(清泉)


【所有技能】:「清泉景観」「富士展望」「古民家」「歩き食い」

【所有技能】:「よもぎ餅」「巨大煎餅」「団子」「豆腐」

 ※餅・煎餅・団子など

 道端の店頭で焼きたてを売っている

 気軽に買って、モグモグしながら観光するのにうってつけ




■充メモ:

【05:00頃】異世界の図書館でミヤさんの主人と初対面

 可愛らしい女の子が登場してかなり驚く。

 なにせ、ミヤさんの主人は強大な竜だと聞かされていた身である。

 もっと厳つい怪獣が出てくるかと期待していただけに、少し拍子抜けもした。

 美人が2人になり、両手に花という状況は確かに好ましい。

 が、目の保養という意味ではミヤさんだけでも十二分である。

 なんとなく、竜が人に近い姿だったことを残念にも思う。

 こんなことを言っては、年下好きを広言している隣人に角材で叩かれそうだが。

 それはそれとして、竜の角や翼や尻尾を目の前にすると、興奮した。

 やはりロマンに溢れている。

 ミヤさんが自分の主人の紹介で熱弁を披露する。


【05:30頃】自宅を出発 空模様は晴れ、ただし夜半に雪が降る

 車中でミヤさんの主人、エンシェさんの呼び名について話し合う。

 見た目の年齢差と、発音の問題から「りゅーちゃん」に決定した。

 竜だからりゅーちゃんという安直さである。

 口調も改まる必要はないと言われる。

 続いてりゅーちゃんから私への呼び名は「充(みつる)お兄さん」に決定。

 なぜ「お兄さん」かと思えば、「雰囲気がお兄さんみたいだから」とのこと。

 非常にこそばゆかったが、そう呼ばれて嫌なはずもなし。

 私の愛称は「充お兄さん」になった。


【10:30頃】忍野八海(おしのはっかい)周辺に到着

 雪化粧の富士山(ふじさん)が大変に美しい。

 民営の駐車場は以前より広くなっていたが、それにも増して観光客が多い。

 ぞろぞろと連れ立って8つの池を巡る観光に出発する。

 お釜池(おかまいけ)、湧池(わくいけ)は大好評。

 横を流れる小川と、中池(なかいけ)もついでに大好評。

 濁池(にごりいけ)、鏡池(かがみいけ)、菖蒲池(しょうぶいけ)を周り、茅葺屋根の喫茶店でコーヒーを飲む。

 道中、りゅーちゃんは店頭で焼く煎餅や草餅に魅了されて片っ端から購入。

 銚子池(ちょうしいけ)を見てから中池へ戻る。

 途中、りゅーちゃんが自らの草餅を犠牲にして転びそうになった子供を助ける。

 ミヤさんの主人というだけあって、やはり良い人らしい。

 ただし、当人は沈痛な面持ちで地面に落ちた草餅に黙祷を捧げていた。

 そのさまは、「忠義のために死地へ赴く騎士を無言で見送るお姫様」か。

 早々にもう1個草餅をあげた。

 ミヤさん曰く、りゅーちゃんは草餅を落とさず子供を助けられたらしい。

 ただ、人間離れした動きをしては目立つと、涙を呑んで草餅を犠牲にしたとか。

 納得の表情である。


【13:00頃】昼食

 りゅーちゃんと2人で豆腐と蕎麦を食べる。

 ここで食べる食事は、いつもとてつもなく美味しく感じる。

 水の力か、景観の力か。


【14:00頃】忍野八海の資料館を見学

 忍野八海で唯一の立ち入り有料施設に入場。

 古民家の屋根裏に上がれることにミヤさんが歓喜する。

 底抜池(そこなしいけ)を見て、駐車場に戻る。

 その際に土産物屋で晩酌用の地酒、地ワインとおつまみを購入。

 車で出口池(でぐちいけ)に向かい、忍野八海の見学を終える。


【16:00頃】風穴(ふうけつ)や氷穴(ひょうけつ)の近くにある温泉施設に向かう

 温泉に興味があるというりゅーちゃんを大型の温泉施設に案内する。

 今回はりゅーちゃんと一緒ということで、ミヤさんも女湯へ向かった。

 と思えば、ミヤさんは浴場で、りゅーちゃんのボディタオルになっていたとか。

 「泡もちゃんと出しましたよ!」とミヤさんは言っていたが……。

 女湯の光景を深く考えるのは紳士心に悖(もと)ると判断し、思考を停止。

 りゅーちゃんは様々な温泉に入れて大満足とのことだった。

 良かった。

 夕食は当然ながらほうとうである。


【19:00頃】民宿にチェックイン

 徒歩で忍野八海に向かえる距離にある民宿に泊まる。

 前回に引き続き旅館に泊まろうかと思っていたが、今回は民宿で。

 ミヤさんの「その土地の民家に泊まりたい」という言葉を受けての選出。

 日に焼けた畳敷きの部屋で酒盛りを開始。

 りゅーちゃんは飲食物については刺激の強いものが好みらしい。

 アルコール類も気に入った様子。

 酒の席での四方山話で、ミヤさんとりゅーちゃんの出会いについて聞く。


【21:00頃】忍野八海へ夜の散歩

 ミヤさんを民宿に残してりゅーちゃんと2人で散歩に。

 主人の意を汲んでか、今回はおとなしく1人で部屋に残るミヤさんだった。

 魔法で保温した熱燗を持ち歩く。

 地味なことにも便利な魔法に感動。

 ミヤさんとりゅーちゃんの故郷の歴史を聞く。


【22:30頃】民宿に戻る

 ミヤさんから、彼女のりゅーちゃんへの思いを聞く。


【24:00頃】就寝

 3人並んで川の字で寝る。

 民宿では寝ていないと目立つという理由により、ミヤさんも布団入りである。

 何故か私がミヤさんとりゅーちゃんに挟まれる形に。

 寝たままのりゅーちゃんににじり寄られ。

 ミヤさんの薫りが鼻をくすぐり。

 正直、気が気じゃなかった。


【翌08:00頃】起床 空模様は再び晴れ

 民宿を出て、富士山見学に向かう。

 しかし雪のため道路が通行止めになっていたのでUターンする。

 りゅーちゃんは空を飛んででも登りたそうにしていたが、またの機会に譲る。

 周辺をドライブして、帰路につく。


【17:00頃】帰宅

 無事に、今回も山梨旅行を終える。




 * 第3章 ~旅の軌跡~ 了 *

次回、幕間『竜と密輸と検疫法』に続く

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