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―幕間―


***

私の世界はいつだって偽物だった。

人間とは不思議だ。本物ってなんでしたっけ?と平気で思うようになる。


姉さまが羨ましかった。

まるでお人形のような美しさ。

触れるものをすべて凍らしてしまうくらい、冷たい美しさ。

まるで、闇夜に咲く「月下美人」のよう。

暗闇の中で、あのエメラルドの瞳に射止められては、恍惚と冷たく凍る。


姉さまは、自由だ。だれからも誉めそやされず、愛されず。

恐れられて疎まれる。

だからこそ本物だ。

姉さまの周りには、本物だけが、そこにある。


私みたいに「清楚で」「しとやかで」「気立ての良い」なんてとってつけたような言葉はいらない。真の美しさに、人は枕詞をつけない。


あっちから見れば青色で、こっちから見れば赤色で。


まるではかないシャボン玉のよう。

私の本物は、なんでしたっけ?



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― 新着の感想 ―
ここまで読みました。 靴職人が主人公というのがまず珍しくて、そこがすごく印象に残りました。 ただ靴を作るだけじゃなくて、履く人の気持ちや生き方まで靴に落とし込んでいくのが面白いです。 特にアーネストの…
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