第24話 いちばんたのしい日
***フレア視点***
わたしはフレア! ヴェスカーだんしゃくけのちょうじょなの!
それで、今日はわたしのたんじょうび!
いろんな人がきて、おいわいしてくれるの!
パパもきてくれた人にあいさつしてる。
「この度はわざわざありがとうございます。ユリ様が来てくださるとは、フレアも喜ぶでしょう」
「いえ、わたくしこそ無理を言って申し訳ありませんわ。突然の申し出、快く許可してくださり感謝いたします」
「ユリ様であればいつでもいらしてください」
そう言って、パパがユリお姉ちゃんにあいさつをしている。
ユリお姉ちゃんはとってもすごい人? らしい。
わたしがユリお姉ちゃんっていうと、お姉ちゃんはわらってくれる。
でも、パパはすごくむずかしい顔をする。
お姉ちゃんはわらってくれるからいいとおもうんだけど……。
そうおもっていると、12じのカネがなる。
「さ、そろそろ時間ですね」
「楽しみですわ」
「私もです。皆さん、席にお座りください」
わたしはずっと待っていて、フォークとナイフを手にもっている。
お姉ちゃんまだかな、とおもっていると、ユリお姉ちゃんがわたしのとなりにすわる。
「失礼いたしますわ。フレア、今回はここでごめんなさい。あなたの席の隣を……」
「ううん! フレア! ユリお姉ちゃんととなりでうれしい!」
「そう、わたくしも嬉しいわ」
「いっぱい食べよ!」
「ええ」
ユリお姉ちゃんがすてきなえがおでうなづいてくれる。
すこしだけ待つと、カレンお姉ちゃんが大きなぎんのおさらをもってきた。
それをわたしのまえにおく。
「お姉ちゃん! これなに!?」
「こちらはミノタウロスのハンバーグになります。その上には目玉焼き、付け合わせにフレア様ご所望のエビフライと蒸し野菜になります」
「すごーい! こんなにいっぱい食べていいの!?」
ぎんのさらの上には、ちゃ色の丸いかたまり、その上にはめだまやき。
となりにはエビフライとタルタルソースが、そしてやさいがおいてあった。
「君」
「なんでしょう?」
「フレアは……」
パパがなにか言おうとしているけど、わたしはこれが食べたい。
それも、このちゃ色のかたまりから聞こえてくるジュージューという音。
とても……とってもそそられる!
わたしはかたまりにないふをさして、ひとくちサイズにきる。
ふわぁ。
きると中からあたたかなけむりが出た。
それといっしょに、きんいろにかがやくみずもでてきた。
「すごい……」
わたしはそれを口にいれた。
「んー!!!!!!!!!」
おじょうさまなわたしは、あばれたいけどあばれたらだめ。
このおいしさをなんていったらいいのかな。
わからない。
けど、おいしくて、それをなんとかいおうとおもって、でもいえなくて。
てをつくえにおしつけたけど、足はあばれまわった。
ぎょうぎがわるいとおこられるけど、でも、なんていったらいいの。
なんかいもなんかいもかむ。
やわらかくて、すぐになくなるとおもったのに、ぜんぜんなくならない。
ずっとのこって、おいしいみずを出してくれる。
おいしいみずがなくなってきたあたりで、わたしはのみこむ。
「おねえちゃんこれなに!? すっごく、すっごく美味しいよ!!!」
「それはミノタウロスが美味しいからですわ。エビフライもあります。よければ食べてください」
「ありがとー!」
わたしはフォークをエビフライにさして、タルタルソースをいっぱいつけて食べる。
美味しい!
まえに食べたときと同じ……それよりおいしいかもしれない!
あとから出てきたカキフライとイカフライもおいしかった。
おいしいフライがこんなにあるなんて、せかいはひろい。
それにそれに、あとからでてきたかぼちゃとさつまいものてんぷら。
これが……とっっっっっっってもあまくておいしい!
こんなおいしいたべもの、わたししらない!
いっぱいお姉ちゃんがつくってくれたりょうりを食べていると、パパがとめてくる。
「フレア、ケーキもあるんだよ。こちらを食べ過ぎると食べられなくなるよ」
「むーなら、ケーキもいま食べる!」
いつもならおこられるけど、今日はたんじょうび。
「仕方ない……もってきなさい」
ということで、ケーキがわたしのまえにおかれた。
ケーキはオレンジ色のしかくいのに、いっぱいくだものがのったやつ。
わたしが好きで、ケーキといったらこれ。
わたしはいつものようにケーキを食べる。
「おいし……い……」
「どうかしたか? なにか入っていたか?」
パパのことばでまわりの人がちょっとおどろく。
でも、そういうことじゃないの。
「ううん。でも……いつもより……美味しくない……ううん。ちがう」
「?」
「こっちのほうがおいしい!!!」
わたしは、ミノタウロスのハンバーグとエビフライを食べる。
それに、てんぷらのほうがあまくておいしいきがする。
うん。
これが一番おいしい!
「わたし、今日はこれだけを食べたい!」
「……そうか、それは……いいよ」
「うん!」
パパもいいっていってくれた。
だから、わたしは食べたいものをいっぱい……いーっぱい食べた。
今日は……いままででいちばんたのしい日!




