ヒバカリ2
正直バカな事をしたなーと思っている。
目の前の大蛇は、それはそれはでかくて威圧感が半端じゃない。こいつに比べればアリ程度、まだ可愛く見える。
グリップを握る手から汗が吹き出る。明らかにヤバい。逃げろと本能が告げる。
「もう遅いっての……」
大蛇が不意を突くように高速で噛みつきにくる。
何とか反応して避けた際にバットで殴っる。鱗が何枚か剥がれるがその程度だ。
何度殴っても手応えを感じない。鱗が剥がれるときはあるのだが、そんなに効いていない気がする。
大蛇が俺の回りを回転して締め上げた。
「がぁっ……この」
振りほどこうとするがびくともしない。大蛇の頭が近づく。近づいてきた大蛇の眼をバットの、柄で殴り付ける。
大蛇が声を上げて悶える。締め上げていた力が緩んで抜け出すことが出来た。
「このままじゃ……どうしたら……」
ヘビは変温動物だったな……なら冷やしたらいいのか?
「やってみるか」
悶えてる間にすぐ隣のスーパーまで走って行く。
「ここまで来やがれ」
バットで地面を叩いて挑発する。少し離れていた大蛇は、こっちに這ってきた。
冷凍室はどこだ?後ろからは店の棚を倒しながらやって来る大蛇がきている。モタモタしてられない。
従業員限定の所に入り見ていくと、重厚な扉で締め切られた部屋がある。
何とか開けると、中から冷たい空気と共に白い煙が流れてくる。
扉を開けて中の入れ物中に隠れる。
「さ、寒……」
寒すぎて奥歯がカチカチと音を立てて揺れる。それを無理矢理抑える。
外からズルズルと音がする。どうやら大蛇がやってきたようだ。
(まだだ。やつが完全に入ってきてからだ)
大蛇は俺を探して中に入ってくる。おそらく全身入っただろう。
勢いよく入れ物から出て冷凍室の扉を閉めた。
中からドンドンと激しくぶつかってくる音が聞こえる。
今にも破られそうな扉を必死で押さえつける。しばらくすると、当たってこなくなった。
店にあった棚等で簡単には破られないように押さえ込む。
「バスに戻ってみるか」
とりあえずはもうしばらくは出てこれないだろう。一旦バス停に戻った。
「あれ?」
だが、もうバスは一台も残っておらず、人も誰も居なかった。
俺は、この町に取り残されてしまったようだ。




