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信頼している

加奈さんかわいいよ加奈さん。今回は戦わないよ。準備中だよ。


先程花瓶を投げつけて俺を助けてくれた人は、俺の顔見知りだった。


華奢で細い体。綺麗な茶髪を腰の近くまで伸ばしている。


沖野加奈おきのかな始めて会話を下のは中学3年の時。


それより前は、居たのか居なかったのか覚えていない。



「加奈だったのか。ありがとうな。助かったよ」



「うん……」



雰囲気としては無口であんまり喋らない。



友達は少ない。俺もその少ないに分類されたわけだが。



「少なくないもん」



たまに俺の思考読みをする。実際されると怖いんだが……



「というか、なんで加奈がここに?」



「誰かが騒いでるみたいだったから……見に来た。そしたら……一誠君が……いた」



「なるほど」



ちなみに加奈とは家がすぐ近くだ。二つ建っている団地のご近所さんだ。



「待て、見に来たって言ってたな?なんで教室に避難してなかったんだ?危ないだろ」



「……図書室で本を……読んでた。誰も居ないから授業かと思ったら……入れなくなってた」



「誰も居なくなるまで居たのかよ。授業出ろよ」



中庭で爆睡してた俺は人のこと言えないかもしれないがな。



「由奈!教室に扉開けてくれ。人が増えた」



「坂井、それは許さんぞ」



なぜか担任の先生が答えた。



「また化け物が来たらどうするんだ! 殺されるぞ入るなら、上から入れ」



「だからって、女生徒がいるんですよ?上からなんて無理ですよ」



「開けられん!もし開けてここの全員が殺されたらどうするんだ!責任を取れるのか!?」



「今はいませんから、お願いですから開けてください!」



「ダメだ!開けるわけには行かない!」



これはいけない。話し合いになりそうにない。


「……分かりました。由奈、俺のカバンを上の窓から投げてくれ」



「何をする気だ?」



「何って、帰るんですよ。加奈とは家が近いので一緒に帰ります」



「ダメだ!危険すぎる!坂井、お前は死ぬつもりか?」



「加奈を放っておけません。由奈、速くしろ」



「……責任は取れんからな」



上の窓が開いてカバンが投げられる。


「一誠、お願い。無茶しないで。アンタが死んだら私……」



「分かった。俺は絶対に死なない。だから由奈も生きててくれ。またジュース奢ってくれよ」



「一誠……」



俺は加奈に向き直る。


「悪いな。一緒に帰ることになったらしい」



「いいよ……一誠君なら心強いし……」



加奈と一緒に下駄箱まで降りてきた。考えてみたら、最近加奈と一緒に帰ることが無くなってたな。



「……こんな時なのになに考えてんだろうな」



「?……なにが?」



「いや、なんでも。そうだ、ちょっと武器を調達していいか?」



「武器?」



加奈が首を傾げる。


「近くにある。ついでに加奈にも使えそうな物があるか見てみようぜ」



「分かった。一誠君がそう言うなら」



そこは体育倉庫だ。それ自体はかなり老朽化しており、何回か蹴ってドアを壊した。



「さっきの金属パイプよりは良さそうだな」



金属バットを二本ほど借りる。返す日はないと思うが。



「加奈はなんかあったか?」



「ないけど……これだったら」



加奈が手にしたのは硬球のボールだ。



「野球するんじゃないんだぞ?」



「分かってる。でも……バットとか持ってても……力ないし」



「まあ、なあ」



加奈にそんな力がある訳じゃ無いだろうしな。



「アリに見つかると厄介だし、そろそろ行くぞ」



「うん」



武器を手に入れて、学校から出た。

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