第十六幕 ダンジョン : ベルベット鉱山『中層』
「ふぅ、何とかなったね...一時はどうなるかと思ったわ」
暁美がため息をつく。
すると、突然俺の頭の中に声が響いた。
〔レベルアップしました。ステータスをご確認下さい〕
その突然の声に一瞬身動いだ。
「な、何だ?レベルアップ?」
そして俺はステータスを確認してみる事に。
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【ソノダテイト】
LV.10
HP : Unknown
MP : Unknown
STR : Unknown
INT : Unknown
LUK : Unknown
DEX : Unknown
AGI : Unknown
クラス : Unknown
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ステータスがUnknownな事に変わりはないが、レベルが10になっている。
一気に上がったな。
まぁ、元々チートじみた能力だからあまり成長を実感できない所が悲しいものでもあるが...
(おっと、このステータスはまだシスと露乃に見せる訳にはいかない)
俺はステータスをそっ閉じした。
「どうした?帝斗よ。さっさと行くぞ」
「あぁ、ごめん今行く」
対岸へ渡り、再び細い通路を通って坂道を下っていく。
途中何度か分かれ道に出くわしたが、その度にアスタリアの石投げによって順路を決めていた。
その先へずっと降下していると、遂にレールが途切れてしまった。
「あれ、此処で終わりか」
だが、代わりに目の前にはただっ広い崖と崖を降りる為の鉄製梯子が設置されている。
しかし、やはり底は真っ暗で見えない。
「ここ、降りんのか?」
「そうするしか無いんじゃない?」
満場一致で頷く女子一同。
「だよな、じゃあ俺が先に降りて様子見てくる。何もなかったら合図するから降りてこい」
「あ、じゃあこれ持って行ってください」
そう言ってアスタリアが何かを手渡す。
何やら小さな珠のようだが...
俺の掌に置かれた途端、それは急に発光しだして、浮遊すると俺の頭の上で静止した。
「何だこれ....」
「これは光の珠と言いまして、単純に光の魔力が込められた玉ですね。それが帝斗の行く道を照らしてくれます」
すると、光の珠は俺の元から離れて梯子の前で停止する。
まるで着いてこいとでも言っているようだ。
俺は光の珠に先導されながら梯子を下っていく。
ーーーカンッ...カンッ...カンッ...
鳴り響くのは、俺が梯子を下る足音のみ。
それ以外は一切の静寂に包まれた暗黒の空間に多少ながら不安を感じる。
(いくらアンノウンの能力があるとは言え、奇襲されたら割りとどうしようもないんだよな...)
そんなことを考えながら下っていると、一つ妙案が浮かんだ。
(そうだ、そう言った事前に察知するスキルあるんじゃないか?)
そして俺は未だ底の見えない暗闇に意識を向ける。
(【アンノウン】)
すると、どうだろうか。
俺の視界に映る黒一色がサーモグラフィの様に赤、黄色、緑といった色に変換された。
(おぉ、やっぱそういうスキルあるんだな...弓使い系かな?)
だが、見た感じ特に蠢く様なものは何もなく、形状からして恐らく鉱物だったり放置されたツルハシなのだろう。
ならば、この先は安全だろう。
俺は少し梯子を上がり、上で待つ三人に声を掛ける。
「大丈夫みたいだぞー。降りてこーい」
「わかった、今行くわ」
そして暁美が梯子を降りようとしたと同時、俺の視界はある一点に集中された。
暁美のスカートの中から垣間見える肌色と白。
(やっぱり熊だ...)
その事態に気がついたのか、梯子に足を掛けた所で止まり、俺を見下ろすと顔を真っ赤にして叫んだ。
「ちょっ!何覗いてんのよ馬鹿!変態!アンタ一番最後に降りてきなさいよ!」
「わ、わりぃ!今上がるから待って!」
急いで梯子を掛け上がると、暁美は顔を真っ赤にしたまま俺を睨み付けて言った。
「これで二回目...絶対に許さない...!」
その光景に露乃が慰める様に俺の肩に手を置いて耳元で囁いた。
「わかるぞ少年よ...だが、その煩悩をぶちまけるのは夜まで取っておけ」
その言葉に俺も暁美同様顔を赤らめて叫んだ。
「んな事するかああぁぁぁ!!」




