第十三幕 ベルベット鉱山
ブルースタリエを発った俺達は、ベルベット鉱山を目指して草原のど真ん中を歩いていた。
「そりゃ私も最初は驚いたよ。こんな小さな子が二次職だって知った時はさ」
暁美はシスを見ながら言っている。
どうやら、シスと暁美は以前から面識があったらしく、暁美がこの世界に来た当初ギガントワーウフルと言う大型の狼モンスターに襲われていた所、彼女に命を救われたらしい。
転移者はこっちへ来た瞬間、大型モンスターに襲われる慣わしでもあるのだろうか。
俺も大蜥蜴に襲われていた事を思い出す。
すると、草原の草を掻き分けて何かがひょっこり顔を出した。
「ん、なんだあいつ」
出てきたそれは、小型の狼モンスター。
見た目からして子供の様だ。
「シス、トゥルーサーチ使えるか?」
「ん...わかった...」
シスがホログラムを開き、目の前のモンスターの情報を読み取る。
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【ピパ】
Lv.5
HP : 56
MP : 10
STR : 12
INT : 3
LUK : 7
DEX : 8
AGI : 10
討伐推奨 : 一次職以上
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「あれはピパだな。ウルフ種の子供に当たる。猪で言う瓜坊みたいな奴だ」
と、露乃が更に情報を補足する。
するとピパは瓜坊と同一視されたことに怒りを覚えたのだろうか、牙を剥き出して露乃目掛けて飛びかかって来た。
それに対し、露乃も対抗する様に剣を抜くと叫んだ。
「ふははは!掛かってくるか迷える子犬よ!ならば良いだろう、我が剣の錆となれ!」
叫んだ露乃は剣の側面をピパに向けーーー
「ていっ」
バシッ...!
峰打ちをした。
「それ、峰打ちじゃ」
峰打ちされたピパは地面に倒れて気絶している。
相手から襲いかかって来たにも関わらず仕留めない所に、彼女の意外な優しさを垣間見た気がした。
それからしばらく歩くと段々草原の草が減っていき、野晒しになった土が見え始めてくる。
どうやら鉱山の麓に辿り着いたようだ。
だが、そこにはーーー
「何か書かれてるな」
看板らしきものが立て掛けられており、ドクロマークにオーク出没注意の文字がデカデカと書かれていた。
「と、言うことは此処がベルベット鉱山で間違いないわね」
茶色と黒を基調とした鉱山はまだ少し距離はあるものの、見上げればかなりの高さだと言うことは容易に想像が付く。
俺達一行は鉱山へ続く一本道を真っ直ぐ歩いて行った。




