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第十二幕 小さな小さな一匹狼


何故見ているのか尋ねようと女の子に近付こうと歩き出した時だ。

ギルド内のあちこちでコソコソと声が聞こえ始めた。


(おい、アイツあのシスさんに睨まれてるぞ...)

(ヤバいぞアイツ...)

(一体何したんだ...?)


ざわ...ざわ...

ざわ...ざわ...


と、ざわつき始め、そのざわつきの渦中に自分が居ることにようやく気がついた。


(え?俺が注目されてんのか?一体何だってんだ...)


疑問に思いながらもその女の子の元へ行き、一言話し掛ける。


「君、ちょっといいかな?」

「・・・・・」

「お、おーい....」

「・・・・・」


俺が話しかけても一切反応する素振りはなく、ただずっと黙って俺を見続けている女の子。


(アイツ、シスさんに話し掛けたぞ...)

(度胸あるな...)


そして未だ、ざわつきが収まらないギルド内。

すると、ようやく女の子はその小さな口を開いた。


「....お前」

「え...?」


「........臭い」


(え、ええええぇぇぇ!!?)


ようやく喋りだしたと思ったらいきなり暴言吐かれた!?

初対面の、しかも年上の人に暴言吐くか普通!?


って言うか、確かにこっちの世界来てから風呂にまだ入れてないが、とは言え昨日もちゃんと風呂に入っている。

臭いと言われる謂れはない。


俺はこの子に少し注意してやろうかと口を開こうとした時ーーー


次に女の子が口にした言葉は予想だにしないものだった。


「お前...一体何者?」


その言葉に俺は言葉を詰まらせた。

まさかこの子、俺がここへ来た時一瞬で普通じゃないと見抜いたのか!?


だが、何はともあれここはあれだ。

こんな所でアンノウンだなんて感付かれる訳にもいかない。

じゃあ、どうするか!?

こうする!!


俺は女の子の頭に手をポンッと起き、そのままナデナデしてみた。


「お兄さんはただの人間だよ?こーんなにも優しい普通のお兄さんだよ」


すると女の子は体をビクッと震わせ、嫌がる素振りを見せる。


「や...やめろ!!私に触れる...な...ふにゃぁ...」


ナデナデに一瞬抵抗したが、そのまますぐに項垂れてしまったようだ。

何だか...ネコみたいだ...


そして俺が手を離すと、女の子は俺の手を掴んでまた頭の上に乗せた。


「これ...好き...もっと続けろ」


流石小さな女の子だけあって、どうやらナデナデには弱いらしい。

仕方なくまたナデナデしてやる。


ナデナデ...ナデナデ...


(う、嘘だろ!!?あいつ、あのシスさんを手懐けやがった!!!)

(あ、ありえねぇ...俺は夢でも見ているのか...?)


その光景に再びざわつき始めるギルド内。

とは言え、俺もそろそろ腕がキツくなりはじめていた。


「あ、あの...そろそろいいかな?」

「.....もういい」


そして、ようやく俺の腕が解放されたのだ。

すると、今度はこんなことを言い始めた。


「お前気に入った...そのクエスト私も同行する」


すると突然近くにいた男が俺に近づき、話し掛けてきた。


「お前、すげーよ...あのシスさんを手懐けちまうなんてよ」

「あ、あぁ...どうも?」

「って言うかお前この人知らないのか?」

「あぁ、今日初めて会ったんだ」


その男が説明するには、どうやら彼女はブルースタリエの中でも三強と呼ばれる内の一人らしい。

と、言うのも何とこの子が、ブルースタリエ内ではたったの三人しか居ないと言われる二次職だったからなのだ。


「に、二次職!?この小さな女の子が!?」

「あぁ、盗賊二次職『チェイサー』。短剣やクナイを駆使して戦う暗部みたいな感じだな」


「しかも基本パーティーは組まないソロ狩り中心の一匹狼なんだ。それをアンタは手懐けた」


(となると、この子は過酷な二次転職試練を独りで潜り抜けたと言う事か)


だが、にわかには信じがたい俺は彼女のステータスを覗こうと試みる。


「あの、君のステータスちょっと見せてもらって良いかな?」

「お前になら...いい...」


(随分と懐かれた物だな)


ーーーーーーーーー


【シス・アナベル】


【クラス】Lv.45

【冒険者】Lv.28

総合Lv.73


HP : 2345

MP : 1603

STR : 524

INT : 132

LUK : 345

DEX : 633

AGI : 742


クラス : チェイサー(盗賊系 : 二次職)


ーーーーーーーーーー


「ま、マジかよ...って言うか何だこのステータスは」


そんな彼女のステータスを見つめていると、待っていたシスは自分の事などあまり興味ない感じで言い放った。


「行くなら...早く行こう」

「あ、あぁ。わかったじゃあ行こう」


そして俺は自分を含め、合計5人のパーティーを収集するとオーク討伐クエストへ向かった。

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