第十一幕 中二病騎士とロリっ娘盗賊
「ま、まぁ、そうだけど...」
俺の返答にニヤッと口角を上げる女騎士。
「であるならば、私もお供させてもらおうか。丁度このクエスト行こうと思ってた所でな」
「あ、でも俺達レベル足りないんで...」
すると女騎士は俺の言動を遮るように右手を前に突き出した。
「よい、皆まで言うな。わかっている...私がいれば君達も一つ上のランクを受けることが出来ると言うことだ」
と言うことはこの人、レベル30以上って事か?
だが、それよりも...
「えーっと、その前に...どちら様?」
すると女騎士はその言葉を待っていたかのように目を見開くと高らかに公言した。
「ふふっ...よくぞ聞いてくれた!私の名はヴァルキリー。そう、神々より寵愛を受けし戦女神ヴァルキリーだ!!この私に掛かれば如何なる困難も打ち砕いて見せよう!!」
決まった...とでも言いたげに目を瞑りながら右腕を天に掲げて笑っている。
(あ、この人関わっちゃいけないタイプの人だ...)
とりあえずどう凌ごうか相談するために暁美の方を見る。
「おい、これどうやって抜け出し...」
そこで俺は言葉をつまらせた。
原因は...
「居ない!?あいつ、俺一人に押し付けて逃げやがった!!」
そしてもう一人、アスタリアはと言うと、酒場のおっさん達と何やら盛り上がっていたのだ。
となれば残る手段はただ一つ。
「えーっと、別に無理に行きたかった訳じゃないんで...これで失礼します!!」
そう言って俺はその場から逃げ出そうと走り出した...のだが...
ーーーガシッ!!
と、肩を捕まれ...
「ま、待て、少年よ!!わかった、報酬は君達にくれてやろう。そして君達はオークのヘイトを取ってくれるだけでいい。私はただ、オーク達から取り返したいものがあるだけなんだ」
その言葉に俺は改めて女騎士を振り返る。
「と、取り返したいもの...?」
どうやら女騎士が言うには自分が世話になった村が一度オークの襲撃に合い、村のシンボルでもあった大事な宝玉を盗まれたのだと言う。
だが、取り返そうにもオークの数が一人じゃ対処出来ないと判断してここで募集をかけようとしたところに俺達を見掛けたらしい。
それを聞いた俺は一つため息をつき、ある条件を提示した。
「はぁ...わかった。その代わりお前のステータス見せてくれ」
「あぁ、いいだろう」
俺はサーチを使い、女騎士のステータスを見た。
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【イバラギツユノ】
【クラス】Lv.13
【冒険者】Lv.19
総合Lv.32
HP : 1345
MP : 520
STR : 243
INT : 10
LUK : 10
DEX : 68
AGI : 122
クラス : ナイト
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「イバラギツユノって...もしかしてお前も転移者なのか?」
(と言うか見た感じハーフっぽそうだけど)
「そうだ。君もそうなのだろう?その服装でわかる」
今更だが、今の今まで俺は学生服のままだったのだ。
それでも尚、この世界の人々に奇抜な目で見られていないと言うことはそれほど転移者が多いと言うことなのだろう。
アスタリアが最初に言っていた転移者の世界って言うのも頷ける。
「とりあえずわかった、俺は園田帝斗。協力させてもらうよ」
俺達は握手を交わしたーーー
だが、それとは別で先程からずっと気になっていた事がある。
此処に来てから誰かにずっと見られているような気がするのだ。
最初は気のせいだと思っていたのだが、その時から感じる視線は未だに絶えない。
俺は少し警戒心を強めながら辺りを見回した。
「ん、どうしたのだ?帝斗よ」
「いや、さっきから誰かに見られてる気がしてな」
そうして更に見回すと、一人の女の子と目があった。
小学生くらいか?小さな女の子で肩までかかっている髪の毛は紫色だ。
服装からして盗賊なのだろうと予想できる。
じーーーーーーー。
うっ....
この感じどこかで...
じーーーーーーー。
見られてる方としても、落ち着かないので俺は女の子に話し掛ける為に近寄った。
しかし、その女の子が何とまさかのーーー




