林冲
「勝利。次はどこへ行くの?」
一旦魏へ戻った勝利は、曹操に話しかけられた。
「次は、林冲という槍使いを仲間にしたい。王進は無理だったが、こっちの方はなんとしてでも軍に引き入れたいな」
「私も行っていいかしら?」
「仕事は大丈夫なのか?」
「ええ。ひと段落ついたわ」
「よし、なら向かうか」
勝利は、曹操、夏侯惇、夏侯淵を連れて漢中へむかった。
「勝利殿。お久しぶりです」
漢中へ着くと、予め待っていてくれた趙雲が話しかけてくる。地形が良くわからないため、道案内を頼んでいた。
「どうやって見つけるのですか?」
「ここの賊徒はもう暴れてないみたいだな。俺たちが賊徒になるしかない」
「私達が賊徒になるの!?だめよ、そんなの!」
「大丈夫だ。本当になるわけじゃない。振りをするだけだ」
「ふむ。なら、勝利殿。守兵の訓練も兼ねていいですか?顔を隠して、襲いかかりましょう。殺さない程度に」
「なんかよく分からないけど、面白そうだな!」
「姉上。くれぐれも、殺さないようにな」
適当な服に着替え、兵舎へ向かった。
大声で叫びながら、夏侯惇が見回りの兵士を殴った。兵舎にいた守兵が次々と出て行き、戦闘の体勢に入った。
流石によく鍛えられていて、連携をうまくとっていた。
「脇が甘い!」
趙雲は槍で一人一人の稽古をつけている。最早賊徒ではない。
街に混乱が広がっていったころ、上の方から声が聞こえて来た。
「林冲、参上!賊徒共め、性懲りもなくまた現れたか!成敗してくれよう!」
「まずい!」
林冲は本物の槍だった。勝利は急いで体を反転させ、持っていた如意棒で槍を弾いた。
「む…?お前は…?」
「悪かった、林冲。俺だ。勝利だ。槍を収めてくれ」
「なんという怪しげな!声、姿、私の旧友を騙るな!」
なにかの妖術だと思った林冲が、そのまま攻撃してくる。勝利も何とか受け止めてはいるが、攻撃することはできない。
「待て、林冲!おれはほんものだ!信じろ!」
「うるさい!その声で喋るな!本物というなら、お前しか知らない私の秘密を言ってみろ!」
「…いいのか?」
「ほら、言えまい!何としてもこの世から消してやる!」
「お前は…!耳を触られるのに弱い!」
ピタッ。槍が目の前で止まる。林冲は顔を真っ赤にしていた。
「まさか、本物…?」
「だからそうと言っているだろう!」
一瞬呆然としたが、次は目に羞恥の色が出て来た。
「よくもバラしたな!」
「お前が言えって言ったんだろ!?」
「うるさい、うるさい!殺してやる!」
攻撃してくる林冲を何とか抑えながら、機嫌が収まるのをまつ勝利だった。




