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祭壇

「孔明。こんなもの、なぜ必要なんだ?」

祭壇を作っていたら、周瑜が孔明に話しかけてきた。

「船を燃やそうとすれば、風向きが大事になります。風向きを変えるために、祭壇が必要だったのです」

「!?お前、風向きを操れるのか?」

「そんなこと、私にはできないと思います。ですが、勝利さんが、お前ならできる!って言って聞いてくれないんです…。こうなったら、やるしかありません…」

孔明は本当に自信なさげだった。そもそも、そんな神の行為とも言えるようなことを、人間ができるはずがない。

「なにかあいつには、作戦があるのか…?」「それも分からないです…。でも、大量の木で作った祭壇なら出来る!って言ってました。勝利さんは、今、兵士を連れて木を切りに行ってます」

よく分からない行動だった。なぜ、材質が関係あるのか。周瑜と孔明には、理解できなかった。

伝令が突然やってきた!

「周瑜様!黄蓋が裏切り、曹操軍に投降した模様です!」

場に一気に緊張が満ちた。

「なに!?それは本当か!?」

「周瑜さん、まずいですよ!」

慌てて二人は孫権の元へ向かった。


「周瑜!どうするつもりなの!」

孫権は信じられないというような顔で、周瑜の方を見る。

「私の落ち度です。申し訳ありません…。」

頭を下げる。

「ですが、彼女は作戦の全貌を知っておりません。挽回する機会はあると思います」

孫権は続けて叱責したかったが、仲間を信じろと言った勝利の言葉を思い出し、踏みとどまった。

「ねえ周瑜。この戦、勝てるかしら?」

「はい。間違いなく」

「…分かったわ。行っていいわよ」

腹を決めたのか、それ以上孫権が何か言うことはなかった。


数日後。勝利が大量の木を切って持ってきた。

「勝利!?なんていう量を持ってきたんだ!」

「全部は使わなくていい。余るほどの木だと思うしな。それより、作戦はうまく行ってるか?」

「ああ。祭壇の設計図もしっかりしてるし、大丈夫だが…」

「そうか、それは良かった。孔明。大げさに祈祷をしろ。必ず、風はむいてくれる」

「わ、私には自信がないです…」

ポンポンと、孔明の頭を撫でた。

「大丈夫だ。絶対にうまく行く。上手くいかなくても、俺がなんとかしてやる」

頭の上にある手を、孔明は両手で握り、胸の前に持ってくる。

「ありがとうございます。頑張ります」


数日後。機が熟したと見たのか、曹操軍は大量の船団を用い、一気に南下してきた。


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