処罰
「作戦は全部上手くいったな、これで、曹操を倒すことができるのか?」
孫権が、首尾を聞いてきた。
「ああ、恐らくこれで俺たちの勝ちは揺るがないだろう。後は俺に、兵士数千を貸してくれ。それから、祭壇を作りたい」
「祭壇…?」
孫権が訝しげな顔をする。
祭壇を作ってどうするのか聞こうとした時、怒声が鳴り響いた。
「周瑜の腰抜けが!なにを臆病風に吹かれてるんじゃ!」
「なにっ…。…黄蓋、私が曹操軍に恐れをなしているといいたいのか」
その方向を見ると、周瑜と黄蓋が激しく言い争っていた。
「ちょっと…、なにしてるの!?」
孫権が詰め寄ろうとする。勝利は孫権の腕を掴む。
「待て、孫権。黄蓋の様子がおかしい…!只事じゃないぞ」
「そんな…」
言い争いは続いている。
「いいか周瑜!後少し戦えば、あの時我らは勝てた!何であそこで退却の指示を出したんじゃ!」
「何を言いだすかと思えば…。こちらにも被害が出ているであろう!あの時に、無理をして攻めればこちらがやられていた!」
「臆病ものが…!お前は、軍師として失格じゃ!いつも後ろで喚いているだけで、勝てるものも勝てなくする!孫策様も、孫権様も、何でお前みたいなやつを重用しているのか…」
「お前、言うに事欠いて、孫策様も孫権様も愚弄するか!軍規に従い、鞭打ちの刑だ!」
黄蓋が周りの兵士に押さえつけられる。
「はっ。何回でも言ってやろう。お前は、軍師として失格…!お前が軍師でいる間は、呉に未来はない!」
「打て!」
周瑜が号令をかける。鞭が勢いよく、黄蓋の背中に叩きつけられた。
「ぐっ…!お前は、この状況でも腰抜けじゃなぁ。自分で手を汚せない…弱いやつめ」
二度。三度。すぐに、黄蓋の背中は真っ赤になった。
「勝利!止めなきゃ!」
「あれは…無理だ。周りの兵士も、みんなが見ている。軍規に従った処罰である以上、兵士の見てる前で覆すことはできない」
「そん…な…」
孫権の体に力がなくなる。
「お姉ちゃん…ごめんなさい。私には、上手く家臣を纏める力量はなかった…」
「馬鹿か。お前はもっと、周りの人を信じろ。全員がある人の敵になっても、それでもお前はそいつを信じるんだ」
それだけいって、勝利は祭壇を作りに向かった。




