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水路

「馬鹿な…!本当に矢を集めてくるなんて…」

勝利は、船に積んでいた藁人形から矢を抜いていき、周瑜に見せた。

「10万本より多くあるだろ?」

そう。船に藁人形を詰め、夜襲と思わせて弓矢を打たせたのだ。

大量の弓を、一瞬で手に入れることができる。作戦通りだった。

勝利、孔明を前にして、周瑜は頭を下げた。

「お前達を誤解していた。私なんか及びもつかない、遥かに天才だった。是非、これからよ知恵を貸していただきたい」

「お、もうこういうことを言われるのは無くなるのか?」

「…とてもじゃないが、お前達を処分するのは不可能だと分かった。一つ、約束してくれ。これから先も、私たちの敵にならないことを、お願いする。…敵に回られたら、勝ち目は私たちにないだろう」

周瑜が、自分の矜持等を捨て、勝利にお願いする。

「大丈夫だ。そもそも俺たちは、三国で仲良くしていくつもりで、ここへ来たんだ。…曹操は、今は操られているかもしれないが、大丈夫だ。元に戻れば、敵になることはない。…それより今は、左慈だな」

周瑜とは和解できた。ようやく、呉は一つに固まれたが、矢を10万本得たからといって、曹操軍との戦力差は縮まることはない。

「曹操軍側に、操られていない人間はいないのか…?」

「入るかもしれないが、どうしたんだ?」

「火を大軍船に一気にかけるためには、鎖で繋いでおく必要がある。それを、どうするか考えているのだが…。二人とも、何かいい案はないか?」

なるほど。それで、曹操軍に操られていない人間がいないのか気にしたのだろう。

「だったらやっぱり、曹操軍から探すのがいいかもな。けどな、船で移動しながら紛れ込むのは難しいな…陸から向かうか?時間がかかるが…」

「だったらいい案がありますよ!一回戦闘を起こすことです。バレないように、こっちもそこそこの軍を出す必要がありますが、それに乗じて潜入できるはずです」

「なるほど…。しかし、こちらの被害は大きくなるな」

「向こうは水軍に慣れていないでしょうし、こちらは慣れています。うまく被害を少なくすることは、できませんか?」

「それなら、黄蓋がうってつけであろうな。それでも被害はあるだろうが…。仕方ない。それでいこう」

慌ただしく準備が始まった。

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