夜襲
「周瑜…!あなた、無理難題を吹っかけたらしいわね」
話を聞きつけた孫権が、周瑜に詰め寄る。
「孫権様。私は、弓矢が足りないから欲しいと言っただけです。何をそんなに怒っているのですか?」
「10万本だなんて…!もし、集めれなかったらどうするの!?」
「その時は、この戦の帰趨を決める大事な作戦だったのですから、死罪でしょうな」
周瑜の目は、本気だった。
「そんなこと、私が認めないわ!」
「孫権様。孫権様がお認めにならなくとも、軍規ですので」
話が終わったかのように、周瑜は去る。
孫権は、勝利のところへ向かった。
「勝利!大丈夫なのか?」
孫権がつくと、黄蓋も来ていたらしい。
「良ければ私の兵も貸す。なんとか弓矢を10万本、寝ずに作るしかない」
勝利は首を横に振る。
「おいおい。そんな、戦じゃないところで兵を疲れさせて、どうするんだ?」
孫権が口を出す。
「それは、曹操を有利にするだけなのは分かるけど…!どうするの!?」
「作戦はある。大丈夫だ」
勝利が当たり前のような顔をしていう。
「もしもの時は、私の命令で、死罪にならないようにするから」
「必要ない。矢が集められなかったら、責任は負う。それより、孫権。小舟20隻と、漕ぎ手だけ貸してくれないか?」
何か考えがあるみたいだ。孫権はそれに従った。
夜。霧が濃くなってきた。
「よし、孔明。いくぞ」
船に乗り込む。20隻の船で、敵陣へ向かっていった。
ー
「む…!敵襲か!?」
視察に出ていた左慈は、前方から20ほどの船が兵士を詰め込んで向かってきているのが見えた。
「皆の者!夜襲だ!船に向かって、矢を射かけろ!」
敵兵に次々と刺さっていく。敵は、攻め込めないと判断したのか、それ以上向かってくることはなく、反転していった。
「まだまだ!後ろ側の敵にも矢を打ち込んでやれ!来たことを後悔させろ!」
敵は立ったまま死んでいっている。左慈は勝利を確信した。




