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巴蜀

「左慈様。袁紹は敗れた模様です」

「…そうか。急がないとな。このままでは、曹操軍が強くなりすぎる。うまく、均衡させなければならない」

「しかし、劉備軍は曹操軍の一部とも言えるくらい緊密な様子」

「まずは、そこを崩すしかないな」

「それから、孫一族ですが…」

「孫堅は死んだ。そして、これから孫策を殺す。孫権・劉備・曹操でうまく三つに分けるしかあるまい…。それも、対立状態でだ。このままだと、仲良くやられるかもしれない。…孫策の次は、曹操の下へいくか」

「…はい」

左慈は、星を見上げた。一際輝く星が、三つあった。




袁紹の後始末から、数年。袁紹は寿命で死に、後継者争いが起こった。曹操軍はそれに乗じて、華北を占領するのに成功した。

「勝利!劉備から、要請がきてるわ!巴蜀を制圧したいから、力を貸してくれだって」

「了解した」

曹操は華北、中原。劉備は巴蜀。とりあえず、協力しながら中国を統一する作戦にでた。南はどうなるか分からないが、とりあえず巴蜀が終わってから考えるつもりだ。

「まあ関羽を貸してもらったし、断れないわね。すぐ終わらせて、戻ってきなさい!」

「もちろん」

すぐに、準備を整え、劉備のところへ向かう。

「…!?」

向かおうとすると、突然、嫌な予感が襲ってきた。

「なんだ…?」

しかし、正体は分からない。釈然としないまま、勝利は向かった。


「勝利殿!御助力、感謝する」

着くと、関羽が挨拶に来た。

「いや、こっちも手伝ってもらったしな。しかし、よくここに目をつけたな」

巴蜀は、天然の要害であったが、交通の便が悪すぎた。

「勝利君!来てくれてありがとう。実は、ついに私の軍にも軍師ができてね〜。それも、二人も!そして、その二人が、ここを拠点にした方がいいって教えてくれたの!」

「へえ。いい目の付け所じゃないか。誰だ?その二人ってのは」

「あ、あの、私たちです…」

おずおずと、二人が出て来た。怖がってるみたいか、劉備の後ろに隠れている。

「?何をそんなに怖がってるんだ?」

「あはは…人見知りみたいで…でも、いつもここまでひどくはないんだけどね」

「なんで怖がってるか、わかった。巴蜀を制圧するということは、曹操軍でも迂闊に攻め込む事が出来ないところに拠点を構えたことになるからか?それに気づかれたらどうしようかと、ビクビクしてるんじゃないか?」

劉備と曹操が協力してる時はいいが、敵対すると、これほど攻めにくい場所はない。その事を考えて、ここに拠点を移したのだろう。

「!!そうなの、孔明ちゃん、龐統ちゃん」

孔明と呼ばれた方が返事をする。

「ち、ちがいます!それくらい、曹操軍の軍師の方ならそもそも気づかれると思ってました!神算鬼謀、噂はかねがね聞いております!そうじゃなくて、その…」

どうやら違ったみたいだ。

龐統が、孔明を押しのけて出てくる。

「…男性に慣れてないのよ。…悪かったわね」

なるほど、そういうことか。劉備軍の将軍は、女性が多い。慣れてなくて、男性が怖いのも、無理はなかった。

「にしても、優秀な軍師を手に入れたな。これは、俺の出番もなさそうだ」

ブンブンと孔明が首をふる。

「そ、そんなことありません!私達なんてまだまだです!是非、お知恵を貸してください!」

「…なんでこんな神格化されてんだ?俺」

「まあ、勝利君のおかげで、漢の3分の2を曹操ちゃんが収めてるわけだからね…。凄さは誰もが認めてるんじゃない?」

「す、すごいなんてもんじゃないです!しかも、あんなに小さいところから…。奇跡としか思えません!」

なるほど。

「もし、対抗するとしたら、やっぱり巴蜀、そして江南、この二つしかありません!そして、巴蜀と江南が手を結んで、なんとか対抗する。それしかないんです」

「なるほどな。まあ、大丈夫だろう。曹操も、劉備も、求めてるものが違うわけではないしな」

「そうだといいんですけどね…」

とりあえず、劉備のところへ合流できた。勝利は、さっさと終わらせよう、と思った。


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