決着
「うまくいった!敵の兵糧を焼いたぞ!」
曹操に報告した。
「よくやったわ!私たちの勝ちね!」
遠くの、袁紹の本陣が撤退して行く。
「よし、追撃するぞ!」
夏侯惇が馬に乗り始める。
「まあ待て、夏侯惇。追撃しても、そこまで得なことはない。これから先、どうせ袁紹の力は落ちて来る。各地で反乱とかも起きてな。あとは、待ってるだけで良いんだ」
勝った。長かった。これで、曹操の覇権は絶対になる。
「…勝利。こいつ、どうする?」
誰かが捉えられていた。
「だれだ?」
「…張郃。捕縛した。頑張った」
よく見ると、呂布も少し傷を負っている。張郃、そこそこできるようだ。
「私の命はどうなってもいい。部隊の命だけは、助けてくれ」
良将を、むざむざ殺させる気はなかった。
「張郃。降伏しないか?優秀な将を、殺したくはない」
縄を解いた。
「な…!」
「降伏しないのなら、去れ。殺す気はない」
「…一つ。お前、異世界から来たというのは本当か?」
張郃は、鎧を脱ぎ始める。サラシを巻いていたが、虎の絵が書いてあるのがみえた。
「…刺青…?」
「本当だったか。…私も、異世界からきたんだ。お前の軍に降ろう。…ひと段落ついてから、ゆっくり話そう」
三人目。他にもいると思っていたが、勝利は驚きを隠せなかった。
夜。勝利の部屋に、張郃と貂蝉が入ってきた。
「勝利。この人は?」
「こいつは貂蝉。同じ、異世界の人間だ」
「まさか、まだ他にもいたなんて…」
話を聞く限り、やはり同じ時代らしい。
「しかし、なんでお前呂布とそこそこ戦えたんだ?」
勝利が自分のことを棚に上げ、疑問を投げかける。
「私の家は…、まあ、刺青からもわかると思うが、そういうところなんだ。昔から薙刀を鍛えていて、それが役に立った感じだ。…むしろ、なんでお前はそんな強いんだ?」
「まあ、それはおいおいな。…それにしても、異世界に行く条件とかってあるのか…?」
誰も分からない。突然きていたらしい。
「そういや、私を異世界からきたって見破った奴がいた。そいつが、劉備を人質に取ればいいって教えてくれた」
「だれだ?」
「たしか…左慈、というやつだ」
そうか。この戦いの陰でも、あいつが暗躍していたのか。
「とりあえず、左慈に聞くしか手がかりないなぁ。」
暗い話はそこで終わりにして、地元の話をして、懐かしさを感じるのだった。




