暗躍
袁紹軍は、強い。勝利でも、確実に勝てるやり方は見つけれていなかった。
張郃文醜、顔良をはじめとする猛将。そして、沮授等の軍師。
将の質だけはこちらが上回っているものの、負ける要素が圧倒的に多いと言って良い。
「関羽が味方になってくれているというのが救いだな…」
呂布の時に助けたお礼として、関羽が今だけ味方になっていた。袁紹との戦がひと段落したら劉備のもとへ戻る予定だが、それまでは戦ってくれる予定だった。
「曹操。袁紹との戦、相当厳しいものになる。ただ、暗殺をしかけてきたということは、おそらくもう攻め込んでくる気満々だろう。関羽を中心に戦うしかない」
「…むぅ。わかったわよ」
頭をポンポンとなで、作戦を立て始めた。
開戦した。やはり、強い。曹操軍は押されている。
特に、顔良と文醜。この兄弟は、連携もしっかり取れている上に、各個人の武力も優れているので、夏侯惇や夏侯淵と互角にやりあっている。
「このままじゃ削られていくな…。関羽、どれくらい兵を与えたら、あの二人を止められそうだ?」
「私一人で大丈夫です。勝利殿、命令ですか?」
命令ですか?と聞くのは珍しいことだった。
「あ、ああ。命令だ」
「…そうですか。報酬などは、ありますか?」
「報酬?関羽がそれを望むなんて、珍しい。なにが欲しいんだ?」
「だめよ!関羽!あなたは劉備の配下で、報酬なんて関係なく命令を聞く約束のはずでしょう!?」
「まあ、曹操。この戦は、これからの曹操軍にとって運命を握る戦だ。少しくらい、いいじゃないか」
「あなたはまだわかってないのね…」
うなだれる。勝利は関羽に解答を促した。
「曹操殿や、呂布にされたことを、私にもして頂きたいのです。だめでしょうか」
「!?ダメじゃないけど、どうして?」
「では、約束ですよ。袁紹との戦が終わってからで構いません。いってまいります」
馬に乗ってかけていった。
「はぁ…勝利。あんたってどうしてそう…」
「え、俺!?俺が悪いのか!?」
ため息は収まらない。しかし、戦場である。気を抜いている暇はなかった。
数時間後。遠くで歓声が二つあがった。曹操軍がおしはじめた。
「これは…?二人とも倒したな。流石関羽…」
「まあ、仕方ないわね…勝利、1番は私だからね」
袁紹軍が防御の陣を敷き始めた。流石にこれは崩せない。その日はそれで終わった。
ー
「左慈様。袁紹と曹操の戦いがはじまりましたね」
「袁紹にすぐ敗れられたら困るな。にしても、劉備・曹操連合軍に勝てるわけがない。少し袁紹を手伝ってやるか。張郃に入れ知恵しておこう。…さて、異世界の人間よ。これにどう立ち向かう…?」




