左慈
「まったく…」
曹操が呆れ果てた顔で首を振る。どうやら許してもらえたらしい。
「許してないわよ」
「心を読むなよ…」
「この戦いが終わったら、覚えてなさいよね」
なにをされるのだろうか。頷くしかなかった。
「それより、攻め方だが…、正直、この面子で負けることは考えられない」
「武将がこれだけ揃ってるうえ、呂布と張遼が相手にいなくなったからね…」
「ただ、相手は幻術を使うからな。それの対処を考えといたほうがいいかもしれないが…、集団にかけることはおそらく出来ないんじゃないかな、と思う」
「…幻術にかけられても、お主が助けてくれるのであろう?」
「あ〜、関羽〜。わざと幻術にかけられようとしてるな〜」
「張飛!?そ、そんなことはない!」
戦場に似つかわしくない。
「…勝利殿。私が幻術にかけられても、同じ様に助けてくださいますか…?」
「もちろん、助けるに決まってるだろ」
「勝利…!あんた何もわかってないみたいね…!」
「まてまてまて。俺は誰であろうと、仲間であれば助ける」
「それは、私でもか?」
夏侯惇も不安そうに聞く。
「当たり前だ。大事な人を、守らないわけにはいかない」
「大事な人…」
それで場はおさまった。
「数だけは相手の方が多い…が、負けることはないだろう。みんな、いくぞ」
それぞれの配置についた。
「苦戦しているみたいだな…、陳宮」
「!?左慈様!?申し訳ありません!」
「あの異世界からきた奴…、なかなかやるじゃないか」
陳宮は葉を噛みしめる。
「陳宮、ここは退くぞ。勝ち目はない。今は、とりあえず…、孫一族。曹操と劉備が別れたら、次は曹操だ」
「そ、そんな!まだ戦えます!敵将を幻術にかければ、まだ!」
「…無理だ。星が、そういっている」
「…わかりました。申し訳ありません」
風が吹く。風と同時に、二人の姿は見えなくなっていた。




