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9:林檎には百合属性があると思います

 お久しぶりです皆様! 気づいたらブックマークが滅茶苦茶増えてて感謝感激雨霰です!!

 そして遅くなってすみませんでした……。

 もう一作の「これが夏の物語」の方を進めていました……。宜しければそちらもご覧ください!

 友人って素晴らしいものだなと実感したのは今からおよそ二時間前ことだった。私が食事から戻って来たとたんに群がってきたクラスの女子が私をもみくちゃにして食事の写真を求めてきたのだ。


 あれは怖かった……。目がギラギラと妖しく輝いて獲物を狙う肉食獣というか快楽殺人鬼というか、そんなような目をしていた。女って怖いなって思った瞬間ナンバーワンにランクインした。


 そのときそんな私を助けてくれたのは林檎だった。さすが、龍弥の姫君の名は伊達じゃない。鶴の一声ならぬ林檎の一声で私は救われたのだ。もちろんそのあとに写真を要求されたが。メールで送信した途端に胴上げされそうな勢いだったから、思わず拳骨を落とした私は悪くないだろう。


 そして私は今、学校から十分ほど歩いた通学路にいる。左右には林檎と結城がいて前から見ると左から順に低くなっている。

「いいな、いいな。龍弥君と一緒に暮らしてるのいいなー!!」

「林檎は本当に龍弥のことが好きだね」

「ぴょんぴょん跳ね回ってる林檎の方が可愛いと思うんだけどな」

「結城って意外と可愛いもの好きだよね」

 会話は弾み、やがてもう一人のトップ6に移る。もちろん会話の中心は林檎だ。このときばかりは結城ですら好奇心を表に出す。本当にやめてほしい。


「で、トップ6の一人、楼龍弥の姉である楼莉沙は弟だけではもの足りずに孤高の君、六会賢正を侍らせて何をしてたのかな~?」

 は、侍らせて!? いや何もやってないし! ていうか林檎はまだいつまで近親相姦させたいのよ!? これはお仕置きが必要みたいだね……!

「侍らせてってそんなことはしてないし、弟だけではもの足りずにって人をなんだと思ってるのよ林檎は!? 何度も言ってるけど私と龍弥は姉弟! オーケー!?」

 グリグリグリ。


「痛っ、ちょ、ちょっと痛いったら! 莉沙手加減してよぉー!」


 私はそれに効果音を持って応えましょう。


 グリグリグリ。


「痛いいぃぃ!!」

「私と龍弥は姉弟! オーケー!?」

「オーケーオーケー! お願いはなしてぇええええ!!」


 なるほど反省したみたいね。ならばよし! 脳内でそんなことを考えながら林檎の頭から拳にした両手を離す。これ以上やるとさすがに結城に怒られるからね。てか、泣かれちゃうし!


「止めて良かったわね。止めなかったら林檎の両親に殺されてたんだから」


 あ、忘れてた。林檎は実は超絶お嬢様だもんね。傷付けたら林檎の御両親に殺されるに決まってる。普通の死に方すらできないだろうな。


「別に私の家はそんなにすごくなんてないよ。ただ、私もママもパパも大好き同士ってだけだよ」


「頬を膨らませて下から目線なんて……。あざといことを覚えたなぁ」

「結城。しみじみと言ったってこれは素なんだよ。天然なんだよ! 騙されちゃ駄目だ! 林檎も誘惑するのはやめなさい!!」


 え、ちょっとちょっと! こんなとこで百合百合なことを始めるな!! 見つめあって抱き締め合わない! あ、目がハート型に!!


 目の前の二人は公共の場だというのに、百合百合モードに入ってしまった。この二人はよくこうなる。さっき私に「女の子が好き!?」とか言ってたけど、それは林檎の方なんじゃ無いのかなって思うくらいだよ。


 男子にとっては見ていて目の保養になるらしいけどこれ止めるの大変なんだよな。やだなぁ。


「愛してるよ林檎」

「私も! ずーっとずーっと大好き!」


 あ、これヤバイやつ。この状態になったらもう二人の意思では戻れない。しょうがない、そろそろ止めるか。


 必殺! 脳・天・チョップ!!


 お、良い音が鳴った! 頭押さえて悶絶してるところ悪いけどこうでもしなきゃ止められないからね。


「……莉沙、たすかった」

「うぅ……。ここ道だったね……」

「元に戻ってくれたようで何よりだよ」


 方法は手荒だけどもこれじゃないと戻れないって二人はちゃんと理解してるしね。そこがまだましなところだよ。


 そのまま歩いて林檎の家へと向かう。私たち三人の中では林檎の家が一番学校に近いから。そして一番遠いのは私である。時間かかって本当に面倒。

 まあ、だからこそ龍弥目当ての誰かが来なくて済むんだけどね。


「とぉーちゃく!」


「あら、林檎ちゃん帰ってきたのね。結城ちゃんも莉沙ちゃんもいつも送ってくれてありがとう。本当に助かるわ」


 林檎の家の門の辺りに立っているふわふわした感じのこの女性は林檎のお母様である。林檎を少し大きくしたような感じと思ってもらえば良い。

 この人は林檎と同じでお姫様のような世間知らずなのだ。そして刺繍やピアノ、お菓子作りがとても上手。


 正にこの母にしてこの娘在りを体現している二人である。


 さて、それでは帰りますか。


「いえ気になさらないで下さい。林檎は私たちの大切な友人ですので」


 結城の言葉に私も頷く。


「そう? 本当にありがとう。良かったらお菓子でも食べていく?」


「折角なんですけど、今日のご飯の準備があるのでご遠慮しますね」


 ああ、お菓子食べたかった……。


「あら、それなら持ってくるわよ。少しだけ待っていてね」


 女神様がいらっしゃった! 家に帰って龍弥と食べよう!


「また明日ね!」


 すぐに持ってきてくれたので林檎の可愛らしい見送りは三分後くらいに見ることができた。


 林檎と林檎のお母様は五センチしか身長が違わないという裏話があります。


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