第74話 企業戦士、光より先に。
本作は「企業×能力バトル」をテーマにした物語です。
商談は戦闘。契約は勝敗。
その結果は株価として市場に反映されます。
現場、会議、市場——すべてが戦場です。
気軽に読んでいただければ嬉しいです。
北海道。
最終決戦。
吹雪は止み。
空には極光だけが残っていた。
アレクセイ・ルクス。
《極光》
ルスカ北洋企業群総帥。
対するは。
東都。
時任明。
帝央。
時任三郎。
北海道。
二人の時任が並ぶ。
アレクセイ。
静かに笑う。
「面白い」
三郎。
前へ出る。
明。
一歩下がる。
三郎。
「援護しろ」
明。
「命令ですか」
三郎。
「助言だ」
明。
少し笑う。
「了解」
開戦。
アレクセイ。
極光。
発射。
光。
北海道を貫く。
だが。
三郎。
消える。
最短経路。
結果だけが存在する。
次の瞬間。
アレクセイの背後。
拳。
ドォォォォォ!!
直撃。
北海道。
静まり返る。
海北。
「入った……」
ルナ。
目を見開く。
「マジかよ」
アレクセイ。
吹き飛ぶ。
雪原を転がる。
そして。
血。
頬から一筋。
赤い血。
アレクセイ。
手で触れる。
血を見る。
沈黙。
人生で何度あっただろう。
いや。
ほとんど無かった。
アレクセイ。
小さく呟く。
「……当たった」
三郎。
静かに立つ。
「光は結果ではない」
アレクセイ。
立ち上がる。
極光。
放つ。
三郎。
避ける。
また殴る。
ドォォォォ!!
二発目。
アレクセイ。
後退。
三郎。
さらに接近。
最短経路。
結果。
結果。
結果。
光すら追い越す。
アレクセイ。
初めて焦る。
「馬鹿な」
明。
見ていた。
《時間減速》
発動。
理解する。
三郎は速いのではない。
結果へ辿り着く。
だから。
途中を飛ばしている。
アレクセイ。
歯を食いしばる。
「光では届かない……?」
初めて。
危機感。
企業を背負い。
ルスカを率い。
勝ち続けた男。
その心に。
恐怖が生まれる。
三郎。
拳を構える。
「終わりだ」
踏み込む。
アレクセイ。
極光。
最大出力。
だが。
届かない。
その瞬間。
アレクセイ。
何かに気付く。
光。
秒速三十万キロ。
世界最速。
だが。
時間には勝てない。
なら。
超えればいい。
アレクセイ。
笑った。
「そうか」
北海道。
光り始める。
空。
海。
雪。
全てが発光する。
時任明。
顔色が変わる。
「まずい」
三郎。
初めて目を細める。
アレクセイ。
笑う。
「光が足りなかったのか」
極光。
暴走。
進化。
覚醒。
北海道全域。
白く染まる。
アレクセイ。
両腕を広げる。
「光より先へ」
その瞬間。
世界が揺れた。
《光輝回帰》
発動。
一秒。
一秒だけ。
時間が戻る。
三郎の拳。
当たる。
はずだった。
だが。
消える。
無かったことになる。
海北。
「なっ!?」
岡田。
「今のは……」
安間。
静かに答える。
「時間です」
アレクセイ。
笑う。
「一秒」
「それだけあれば十分だ」
明。
歯を食いしばる。
「戦闘中に能力進化……」
アレクセイ。
前を見る。
「人は追い詰められると進化する」
三郎。
少し笑った。
「面白い」
初めて。
三郎の声に楽しさが混じる。
企業戦争開始以来。
初めての相手。
結果を消す男。
明。
アレクセイを見る。
三郎を見る。
そして。
理解する。
これは。
自分の戦いでもある。
三郎。
前を見る。
「援護しろ」
明。
頷く。
「了解」
北海道。
吹雪。
光。
時間。
そして。
二人の時任。
対するは。
光より先へ辿り着いた男。
企業戦争。
北海道決戦。
誰も見たことのない領域へ。
戦いは進み始めていた。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本作ではバトルだけでなく、企業の成長や株価の動き、
情報戦なども含めて描いていきます。
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