第66話 企業戦士、最適解。
本作は「企業×能力バトル」をテーマにした物語です。
商談は戦闘。契約は勝敗。
その結果は株価として市場に反映されます。
現場、会議、市場——すべてが戦場です。
気軽に読んでいただければ嬉しいです。
北海道。
ルスカ補給基地。
地下施設。
吹雪の音も届かない。
巨大サーバー群。
補給管理。
兵器制御。
回復ネットワーク。
ルスカ兵団の心臓部。
その内部。
鳩山。
機島。
侵入成功。
鳩山。
「思ったより奥だな」
機島。
「静かすぎます」
その瞬間。
緑色の霧。
通路を埋め尽くした。
機島。
「下がって!!」
遅い。
鳩山。
吸い込む。
咳。
血。
「がっ……!!」
通路奥。
男。
黒い防護服。
緑色の瞳。
ルスカ特殊企業戦士。
ニコライ。
《生体汚染》
細菌。
毒素。
放射線。
生命そのものを侵す能力。
ニコライ。
笑う。
「歓迎する」
鳩山。
拳を握る。
「嫌な能力だな」
突撃。
殴る。
だが。
近付くほど侵される。
肺。
血管。
筋肉。
全てが悲鳴を上げる。
ニコライ。
「近付くほど死ぬ」
鳩山。
血を吐きながら笑う。
「性格悪ぃな」
後方。
機島。
《トランスフォーム》
発動。
全身機械化。
ドローン展開。
監視カメラ掌握。
基地マップ解析。
遠隔砲台起動。
支援開始。
だが。
ニコライの汚染が広がる。
ドローン落下。
砲台停止。
機島。
「まずい……!」
鳩山。
膝をつく。
呼吸できない。
視界が霞む。
ニコライ。
ゆっくり歩いてくる。
「終わりだ」
その瞬間。
ドォォォォォン!!
地下施設の壁。
吹き飛ぶ。
吹雪。
雪。
煙。
現れた男。
東都社長。
鷹名恒一。
鳩山。
「社長……」
鷹名。
静かに周囲を見る。
ニコライ。
サーバー。
換気設備。
ドローン。
鳩山。
機島。
全てを見る。
能力発動。
《最適解》
世界が止まる。
勝利への道筋だけが見える。
そして。
答えが出る。
世界が動き出す。
鷹名。
「機島」
機島。
「はい!」
鷹名。
「右上七番換気口」
「十八秒後に閉鎖」
機島。
「え?」
鷹名。
「いいからやれ」
機島。
即行動。
鷹名。
「鳩山」
鳩山。
「なんだ……」
鷹名。
「三歩下がれ」
鳩山。
「は?」
鷹名。
「今だ」
反射的に下がる。
次の瞬間。
緑色の弾丸。
その場所を貫通。
鳩山。
「うおっ!?」
鷹名。
前へ出る。
「機島」
「ドローン二番」
「照明を落とせ」
機島。
即実行。
バチン!!
地下施設暗転。
ニコライ。
「!?」
鷹名。
最短距離で接近。
迷いがない。
ニコライ。
汚染霧。
展開。
だが。
鷹名は止まらない。
拳。
ドゴォォォォォ!!
ニコライ。
吹き飛ぶ。
壁激突。
さらに。
鷹名。
「今だ」
機島。
待っていた。
回線接続。
補給システム侵入。
回復ネットワーク停止。
兵器制御停止。
サーバー破壊開始。
警報。
基地中に響く。
《補給システム停止》
《医療支援停止》
《兵器制御停止》
ルスカ前線。
その瞬間。
兵団の動きが鈍る。
雷堂。
「あ?」
風見。
通信を見る。
「やったな」
海北。
笑う。
「東都か」
だが。
地下施設。
勝利の代償。
鷹名。
咳。
血。
床に落ちる。
機島。
顔色が変わる。
「社長!!」
鳩山。
這いながら近付く。
「馬鹿じゃねぇの……」
鷹名。
苦笑する。
「最適解だった」
鳩山。
「本人が犠牲になるのがかよ」
鷹名。
静かに立ち上がる。
「社員二人を生かして」
「基地を落として」
「前線を救う」
一拍。
「一番安かった」
機島。
言葉を失う。
鷹名。
また咳き込む。
肺。
侵されていた。
それでも。
前を見る。
「帰るぞ」
その頃。
帝央本陣。
時任三郎。
報告書を見る。
ルスカ補給基地壊滅。
鷹名重症。
沈黙。
そして。
小さく笑う。
「相変わらず遠回りだな」
だが。
その表情はどこか柔らかい。
「……嫌いじゃない」
北海道。
吹雪。
企業。
国家。
戦争。
そして。
社長たち。
それぞれの信念が。
北の大地でぶつかり始めていた。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本作ではバトルだけでなく、企業の成長や株価の動き、
情報戦なども含めて描いていきます。
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