第58話 企業戦士、土俵。
本作は「企業×能力バトル」をテーマにした物語です。
商談は戦闘。契約は勝敗。
その結果は株価として市場に反映されます。
現場、会議、市場——すべてが戦場です。
気軽に読んでいただければ嬉しいです。
新潟。
日本海。
巨大港湾都市。
東海港湾建設。
巨大クレーン。
コンテナ。
潮風。
そして——
現場の男たち。
時任 明。
柏木ミツキ。
鳥羽ユウト。
東都側三人。
港へ降り立つ。
鳥羽。
「うわぁ……でっか……」
ミツキ。
「港って男臭いよねぇ」
時任。
周囲を見る。
「現場って感じだな」
その時。
大型トラック。
停止。
降りてくる。
東海港湾建設社員たち。
最初に現れたのは——
大男。
剛田 海斗。
「東都か」
筋肉。
現場焼け。
圧。
鳥羽、ビビる。
「で、でか……」
続いて。
波崎レン。
水を操る企業戦士。
爽やかな青年。
「ようこそ新潟へ」
最後。
細身の男。
天城 空。
静かな目。
「歓迎します」
鳥羽。
「なんかこの人怖い……」
ミツキ。
「空気薄そうだよね」
天城。
少し笑う。
《酸素操作》
潜水作業特化企業戦士。
東海港湾。
海の現場集団。
そして——
その奥。
ゆっくり歩いてくる男。
巨体。
白髪混じり。
現場ジャンパー。
だが。
空気が違う。
剛田海斗。
少し姿勢を正す。
「親父」
東海港湾建設社長。
剛田 海北。
時任。
「社長……?」
海北。
豪快に笑う。
「おう!!」
「東都の若ぇのか!!」
握手。
重い。
時任。
「っ……」
海北。
ニヤッと笑う。
「悪くねぇ」
ミツキ。
「社長っていうか親方だね」
海北、大笑い。
「港屋は現場が全部だ!!」
その夜。
港近くの宴会場。
刺身。
鍋。
焼き魚。
蟹。
そして——
酒。
東海港湾社員。
「ほら飲め飲め!!」
「越後の酒は美味ぇぞ!!」
鳥羽。
一口飲む。
「うっま!!」
ミツキ。
徳利片手に笑う。
「これ危ない酒だわ」
時任。
静かに飲む。
「……たしかに美味いな」
海北。
豪快に笑う。
「港は体力仕事だからな!!」
「飯と酒はガチだ!!」
宴会。
大盛り上がり。
東海港湾社員。
「東都ってもっと堅いと思ってたわ!」
「ミツキさん酒強ぇ!!」
ミツキ。
「植物系だからね」
時任。
「関係あるのかそれ」
海北。
時任を見る。
「お前」
一拍。
「株価より現場見てる目してるな」
時任。
少し止まる。
海北。
酒を飲む。
「嫌いじゃねぇ」
その時。
剛田海斗。
突然立ち上がる。
「よし!!」
会場。
静まる。
海斗。
ニヤッと笑う。
「相撲やるぞ!!」
歓声。
「きたぁ!!」
「東海港湾恒例!!」
鳥羽。
「ええぇ!?」
港湾会社らしいノリ。
即席土俵。
宴会場の真ん中。
第一戦。
鳥羽ユウト。
対。
剛田海斗。
開始。
鳥羽。
即、鳥化。
バサバサッ!!
鶏。
会場。
爆笑。
海斗。
「なんだそりゃ!!」
鳥羽。
「て、手をついてないので負けじゃありませ——」
バサバサ。
そのまま土俵外。
「コケェーッ!?」
負け。
大爆笑。
ミツキ。
腹抱えて笑う。
「弱っっっ!!」
鳥羽。
「理不尽ですよこれぇ!!」
第二戦。
ミツキ。
対。
波崎レン。
開始。
ミツキ。
ニヤッと笑う。
「ゴーレムいけ」
植物と土。
小型ゴーレム出現。
波崎。
苦笑い。
「本人が出てください」
審判。
「反則負けです」
ミツキ。
「えぇー!?」
時任。
「当たり前だろ」
会場爆笑。
ミツキ。
「土俵狭っ!」
第三戦。
時任 明。
対。
剛田海斗。
空気変わる。
海斗。
笑う。
「お前、強ぇだろ」
時任。
「まぁ、それなりに」
開始。
ぶつかる。
ドンッ!!
重い。
海斗。
能力発動。
《筋力圧縮》
全筋力を一点集中。
純粋パワー。
時任。
世界を遅くする。
重心。
呼吸。
勝ち筋。
見る。
海斗、押す。
時任、耐える。
港湾社員たち。
「おお……!」
その瞬間。
時任。
半歩ズラす。
海斗。
バランス崩壊。
押し出し。
勝負あり。
静寂。
そして——
歓声。
海斗。
笑う。
「ははっ!!」
「東都、面白ぇな!!」
時任。
少し笑う。
「そっちもな」
夜。
港。
潮風。
海北。
時任。
ミツキ。
海を見る。
その向こう。
北。
海北。
静かに酒を飲む。
「最近、“ルスカ”の船が増えてる」
時任。
「ルスカ……?」
海北。
「ああ」
「北の海が騒がしい」
一拍。
「港はな」
海を見る。
「国境より先に、戦争の匂いが来る」
遠く。
巨大な影。
外国船。
ナレーション。
海は繋がっている。
物流。
資源。
国家。
企業。
そして——
戦争。
次なる企業戦争は、
北の海から始まろうとしていた。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本作ではバトルだけでなく、企業の成長や株価の動き、
情報戦なども含めて描いていきます。
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