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第3話 企業戦士、株を守る。

本作は「企業×能力バトル」をテーマにした物語です。

商談は戦闘。契約は勝敗。

その結果は株価として市場に反映されます。

現場、会議、市場——すべてが戦場です。

どの話からでも楽しめる構成を目指していますので、

気軽に読んでいただければ嬉しいです。


「……株が、落ちてます」


---


中田祥子の声は、静かだった。


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だが、その一言で空気が変わる。


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画面。


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東都建材 急落


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「売りが止まりません」


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時任明が顔を上げる。


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「原因は?」


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「アルゴ証券です」


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一拍。


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「意図的に崩されています」


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岡田が舌打ちする。


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「面倒くせぇな」


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「現場、出るぞ」


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時任が言う。


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「了解!」


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風間と剛田が動く。


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その頃。


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本社。


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静寂。


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「……ズレてますね」


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中田がモニターを見る。


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数字。

履歴。

ログ。


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すべてが、わずかに歪んでいる。


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(いる)


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現場。


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「売れ」


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声。


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振り向く。


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スーツの男たち。


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アルゴ証券。


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一斉に売りが入る。


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株価が落ちる。


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「くそっ……速ぇ!」


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風間が叫ぶ。


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「……追いつけない」


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息が荒い。


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(速い……でも)


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その目が変わる。


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(無駄がある)


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「……見える」


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風間の視界が研ぎ澄まされる。


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一瞬の“隙”。


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「ここだ!」


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指が走る。


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微細な売買。


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流れに“ズレ”が生まれる。


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「支える!」


---


剛田が前に出る。


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大口の買い。


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ドンッ——


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「押し返す!」


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だが——


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「甘い」


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アルゴ側の声。


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再び売り圧。


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「くそ……!」


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そのとき。


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「どけ」


---


岡田が前に出る。


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「まとめて来いよ」


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端末を叩く。


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ドンッ——


---


桁違いの買い。


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---


流れが、止まる。


---


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「……何だこいつ」


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岡田は笑う。


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「細けぇことやってんじゃねぇ」


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「押し切るだけだ」


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その姿。


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“昭和のゴリ押し”。


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風間が息を整えながら呟く。


---


「……ああいうのも、ありかよ」


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(速さだけじゃ足りない)


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剛田が拳を握る。


---


「……もっと、支えねぇと」


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(力も足りない)


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時任は全体を見る。


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(単純だが——)


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(流れを変えている)


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ネクタイに触れる。


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調整アジャスト


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時間が伸びる。


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(見える)


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(全体の流れが)


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だが——


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「……まだ足りない」


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その頃。


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本社。


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「……そこですね」


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中田が呟く。


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振り返る。


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「あなた、誰ですか」


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男が立っている。


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「社員ですよ」


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だが——


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(整っていない)


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「偽装、ですね」


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データが歪む。


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ログが消える。


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中田が修正する。


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「整合が取れていません」


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「この売り……偽装です」


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現場。


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時任が目を開く。


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(来た)


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板が崩れる。


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売りが消える。


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「今だ!」


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風間。


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「抜けた!」


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「支える!」


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剛田。


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岡田。


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「遅ぇ」


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一気に流れが変わる。


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そのとき。


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「遅くなりました」


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ミツキ。


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ラベンダーの香り。


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「……落ち着いてください」


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アルゴ側の動きが鈍る。


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足元。


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葉が揺れる。


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ドライアド。


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制圧。


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「……撤退だ」


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アルゴ側が引く。


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静けさ。


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そのとき。


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画面。


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東都建材 −4.2% → −1.0%


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「……戻してる!」


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風間が叫ぶ。


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さらに。


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剛田が叩き込む。


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−1.0% → +0.9%


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「来た……!」


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岡田が笑う。


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「押し切れ」


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時任が静かに言う。


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「ここだ」


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最後の一手。


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+0.9% → +2.1%


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静寂。


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「……戻った」


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風間が息を吐く。


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剛田が笑う。


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「やったな!」


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だが。


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時任は画面を見ている。


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(勝ったのは——)


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(俺たちだけじゃない)


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本社。


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中田が静かに立つ。


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男の姿は消えている。


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「……まだいますね」


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誰もいない空間。


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だが——


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気配だけが残る。


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遠く。


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「面白い」


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市場は、守られた。


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だが——


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戦いは、広がっている。


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それぞれが、“次”を見た。


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企業戦士は、進む。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

本作ではバトルだけでなく、企業の成長や株価の動き、

情報戦なども含めて描いていきます。

少しでも面白いと感じていただけたら、

ブックマークや評価で応援していただけると励みになります。

今後ともよろしくお願いします。

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