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第4話 企業戦士、壊す準備をする。

本作は「企業×能力バトル」をテーマにした物語です。

商談は戦闘。契約は勝敗。

その結果は株価として市場に反映されます。

現場、会議、市場——すべてが戦場です。

どの話からでも楽しめる構成を目指していますので、

気軽に読んでいただければ嬉しいです。


本社は、静かだった。


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「……機島 護です」


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男は椅子に座ったまま、動かない。


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モニターが並ぶ。


光が顔に反射する。


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「本社防衛を担当します」


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時任明が腕を組む。


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「動かないのか?」


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「はい。動けません」


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間。


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「能力使用中は、完全に停止します」


---


中田が頷く。


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(合理的)


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「……視界、共有します」


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次の瞬間。


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全モニターが切り替わる。


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街。

ビル。

入口。

廊下。


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「本社周辺、全て把握しました」


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「敵影は?」


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「現時点では確認できません」


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静かだ。


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だが——


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「……外部アクセス、微弱」


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一瞬。


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ノイズ。


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「……警告」


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画面がブラックアウトする。


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「……!」


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機島は動かない。


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いや、動けない。


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「……現在、無防備です」


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沈黙。


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数秒。


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画面が戻る。


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「……復旧」


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「誤差の範囲内です」


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だが——


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空気だけが、変わっていた。


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「次の案件です」


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中田が資料を出す。


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「解体業者との提携」


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時任が目を落とす。


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「……壊す側、か」


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現場。


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鉄骨の音。


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油の匂い。


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「東都建材か」


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男が笑う。


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「でかくなったな」


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砕城ゴウ。


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解体業者、ビルド&スクラップの社長。


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「条件は?」


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時任が言う。


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「現場判断は任せる」


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「対等な関係で」


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ゴウが目を細める。


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「甘いな」


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そのとき。


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「ただし——」


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岡田が一歩前に出る。


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地面が軋む。


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「舐めたら、潰す」


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沈黙。


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ゴウが、笑う。


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「いいな」


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「嫌いじゃねぇ」


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軽く壁を叩く。


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コン、と音がする。


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次の瞬間。


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ピシッ——


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ヒビが走る。


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「ここ、弱い」


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「壊すなら、こうだ」


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岡田が笑う。


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「壊すなら——殴りゃいい」


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ゴウが首を振る。


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「違うな」


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「壊すのは、“理解”だ」


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一歩踏み込む。


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岡田の拳。


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ゴウが受ける。


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ドンッ!!


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衝撃。


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だが、崩れない。


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「効かねぇな」


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岡田が笑う。


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「壊し方が違う」


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ゴウが言う。


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「力じゃねぇ」


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「構造だ」


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時任が見ている。


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(……理にかなっている)


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「組もう」


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時任が言う。


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「作るだけじゃ足りない」


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「壊す力も必要だ」


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ゴウが頷く。


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「いいだろう」


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契約成立。


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その頃。


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別の現場。


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木の匂い。


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「……ミツキさん」


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大工たちが頭を下げる。


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「ついていきます」


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ミツキが振り返る。


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「いいの?」


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一人の大工が前に出る。


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「俺たちは、木を扱う」


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「命を雑に扱う奴には、つけねぇ」


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「……あんたは違う」


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ミツキが小さく笑う。


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「じゃあ、ちゃんと扱うわよ」


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木が揺れる。


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東都建材。


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変わり始めていた。


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本社。


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機島のモニター。


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「……アクセスログ、追跡」


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一瞬。


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静止。


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「……追えません」


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沈黙。


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「……ログが、存在していません」


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中田が静かに言う。


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「……“いる”のに?」


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答えはない。


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そのとき。


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画面に数字が流れる。


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東都建材 +0.5%


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「……反応しています」


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さらに。


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「提携情報、出ました」


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東都建材 +1.7%


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「解体業者との連携……評価されています」


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岡田が鼻で笑う。


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「分かりやすいな」


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そして。


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時間が経つ。


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東都建材 +3.3%


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静かな上昇。


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「……施工・解体、一貫体制」


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中田が言う。


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「ゼネコンに近いと判断されています」


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時任は画面を見る。


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「……まだだ」


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一方。


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帝央ゼネコン。


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帝央ゼネコン −0.6%


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「……形を整えてきたか」


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低い声。


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「面白くないね」


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遠く。


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「想定内だ」


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誰かが笑う。


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企業戦士たちは。


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守りを固め。


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壊す準備を整え。


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市場に、その存在を刻んだ。



だが——


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見えない敵は、すでにそこにいる。


---


---


次は——


---


さらに大きな戦いだ。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

本作ではバトルだけでなく、企業の成長や株価の動き、

情報戦なども含めて描いていきます。

少しでも面白いと感じていただけたら、

ブックマークや評価で応援していただけると励みになります。

今後ともよろしくお願いします。

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