表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/27

第2話 企業戦士、火と戦う。

本作は「企業×能力バトル」をテーマにした物語です。

商談は戦闘。契約は勝敗。

その結果は株価として市場に反映されます。

現場、会議、市場——すべてが戦場です。

気軽に読んでいただければ嬉しいです。


午前。


---


「行くぞ」


---


岡田が歩き出す。


---


「挨拶回りだ」


---


時任明は一歩後ろを歩く。


---


「この辺一帯は、全部“顔出し”しとく必要がある」


---


工事現場。

事務所。

取引先。


---


企業戦士にとって、関係構築は戦いの前段階だ。


---


「現場を知らねぇ奴は、勝てねぇ」


---


岡田は止まらない。


---


一件、一件。


短い会話。


鋭い視線。


---


(……見てるな)


---


時任は感じる。


---


岡田はただ挨拶しているわけじゃない。


---


“測っている”。


---


相手の力量。

空気。

危険度。


---


そして——


---


「……来てるな」


---


足を止める。


---


空気が、熱い。


---


昼の街は、いつも通りのはずだった。


信号。

車の流れ。

人の足音。


---


だが、その一角だけが歪んでいる。


---


「東都建材、か」


---


声。


---


振り向く。


---


炎のような髪の男。


---


「燃やしていい?」


---


炎城レオ。


---


---


そのとき。


---


岡田が一歩前に出る。


---


「その話、俺が聞こうか」


---


---


視線がぶつかる。


---


だが——


---


動かない。


---


---


企業戦士にとって。


---


初対面の名刺交換は——


---


“神聖な儀式”である。


---


---


いかなる戦闘よりも優先され、

いかなる能力よりも干渉されない。


---


---


何人たりとも、邪魔はできない。


---


---


炎城がポケットから名刺を取り出す。


---


岡田も同じように出す。


---


時任もそれに倣う。


---


---


「帝央ゼネコン」


---


炎城が名乗る。


---


---


「東都建材」


---


岡田が返す。


---


---


静かに、差し出す。


---


受け取る。


---


---


一瞬だけ。


---


空気が止まる。


---


---


——契約前の、確認。


---


---


名刺が収まる。


---


---


その瞬間。


---


「焼き尽くせ——フレイム・ライン!!」


---


一直線の炎。


---


---


「遅ぇ」


---


岡田が突っ込む。


---


直撃。


---


肉が焼ける。


---


煙。


---


---


だが——


---


その中から出てくる。


---


焼けた皮膚が再生していく。


---


---


「効いてねぇよ」


---


「……は?」


---


---


岡田、距離を詰める。


---


拳。


---


ドンッ!!


---


炎城が吹き飛ぶ。


---


---


「ぐっ……!」


---


---


「……いいな」


---


炎城が立ち上がる。


---


「もっと見せろ」


---


---


「インフェルノ・サークル!!」


---


周囲が燃える。


---


アスファルトが溶ける。


---


---


「邪魔だ」


---


岡田が突っ込む。


---


殴る。


---


「チッ……!」


---


---


温度が上がる。


---


空気が歪む。


---


「ならば——」


---


炎城の目が変わる。


---


「我が炎の極致——」


地面が焦げる。


「邪王炎…(ジャオウエン…)——」


---


そのとき。


---


風が吹く。


---


「……レオ、それ以上やると」


---


---


「——安間部長、来ますよ」


---


---


一瞬。


---


炎城の動きが止まる。


---


沈黙。


---


「……あ?」


---


時任が眉をひそめる。


---


(誰だ、それは)


---


---


土岐ルナが肩をすくめる。


---


「うちらでも止めらんない人」


---


---


水瀬アオイが静かに言う。


---


「……消される」


---


---


炎城、舌打ち。


---


「……チッ」


---


炎が消える。


---


---


「つまらん」


---


---


背を向ける。


---


---


岡田が笑う。


---


「逃げんのか?」


---


---


「違う!」


---


---


「燃やす場所を選ぶだけだ」


---


---


四天王が去っていく。


---


---


静けさが戻る。


---


---


そのとき。


---


時任のスマホが震える。


---


---


画面。


---


『帝央ゼネコン幹部、現場で押される』


---


『炎城レオ、実質敗北か』


---


『東都建材、上昇の兆し』


---


---


「……早ぇな」


---


岡田が笑う。


---


---


風が吹く。


---


「風ってさ、こういうの運ぶのも仕事なんだよね」


---


遠くで風見カエデの声。


---


---


水瀬アオイが呟く。


---


「……事実じゃない」


---


---


土岐ルナが笑う。


---


「でも市場は“印象”で動くよ?」


---


---


炎城は無言でスマホを見る。


---


---


帝央ゼネコン −0.6%


---


---


「……くだらん」


---


---


一方。


---


東都建材。


---


---


東都建材 +1.8%


---


---


社員がざわつく。


---


「上がってる……!」


---


---


中田の声。


---


「市場が反応しています」


---


---


時任は画面を見る。


---


(戦いは終わっていない)


---


(もう一つの戦場で続いている)


---


---


岡田が肩を鳴らす。


---


「……面白ぇ」


---


---


だが、その目は冷静だった。


---


(あれが本気じゃねぇ)


---


---


時任は空を見上げる。


---


(規模が違う)


---


---


その日。


---


東都建材は、次の段階へ進む。


---


戦いは、まだ始まったばかりだ。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

本作ではバトルだけでなく、企業の成長や株価の動き、

情報戦なども含めて描いていきます。

少しでも面白いと感じていただけたら、

ブックマークや評価で応援していただけると励みになります。

今後ともよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ