表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/79

27 趣味について

 このところ趣味が増えて(多趣味というには偏りがあるのですが)まあ、色々と楽しませてもらっています。小説執筆のためと思って、以前はまったく興味がなかった落語やお笑いもこの頃は見るようになりました。あれは面白いですね。お笑いも面白いけど、物書きにとっては落語の、それも枕が面白いと思いますね。なんで、ああ、大したことでもない出来事を面白く話せるのか、色々と考えさせられます。エピソードに臨場感があるのでしょうね。僕も、なにか臨場感のあるエピソードをここで書けたらと思うのですが、このところなんだか頭がまわらないんですね。落語家に関しては、最近の人はよくわからないので、有名どころで、古今亭志ん朝師匠のと立川談志師匠のを聴きます。CDも買おうかと思いましたが、あまりにも多かったのでやめました。それに、イヤホンでジャズの音楽を聞いていて、突然、落語に切り替わったら妙な気持ちになりそうなので。


 ジャズは、今はサックスやトランペットよりもピアノを中心に聴いています。今のお気に入りはミシェル・ペトルチアーニとグレイトジャズトリオ(ピアノがハンク・ジョーンズ、ベースがロン・カーター、ドラムがトニー・ウィリアムスの時のが良い)ですかね。ミシェル・ペトルチアーニのアルバム「ミシェルペトルチアーニ」の「クリスマス・ドリーム」という曲が本当に好きで、何聴こうかと悩むととりあえず「クリスマスドリーム」という流れになる。それで、このアルバムを聴き終わった後に、やっぱりいつもの流れでグレイトジャズトリオの有名なアルバムで「ライブアットザヴィレッジヴァンガード」というのがあるのですが(野球の写真がジャケットになっているやつです)その中の「Favors」という曲を聴いてしまいます。かつてジャズ喫茶のマスターに必ず一曲目から順番に聞きなさいよ、と言われていたのですが、こう回数が増えてくるとどうしても好きな曲を先に選んでしまいます。困ったもんですね。ちなみにジャズというのはなかなか小説の世界観とはマッチしないのですが、こちらの曲に限っては「紫雲学園の殺人」を書く前によく聴いていて、ミステリー小説との相性もよく、そういう意味でも大変お世話になっています。グレイトジャズトリオは「ラヴ・フォー・セール」というアルバムではじめて聴いた時に、トニー・ウィリアムスの鋭いドラミングが冴え渡っていて、すごいとは思ったのですが、ハンク・ジョーンズのピアノが優しすぎて「ハンク・ジョーンズはバラード向きじゃないか?」などと思い、むしろハンクジョーンズに関してはチャーリー・ヘイデンのベースとのデュオ(アルバム「スピリチュアル」など)などを好んで聴いていたのですが、今ではハンクジョーンズのピアノはリズム感も繊細さも絶妙で、その情緒がトニー・ウィリアムのデジタルで人間離れしたドラミングの嵐の中にふつふつと浮き上がってくるのが最高だ、と感じるようになりました。


 寺社めぐりや旅行は、長野の善光寺、諏訪大社に行って以来、特に目新しいものはありません。ただ新年の初詣でで、地元の神社と上野の寛永寺、千葉の成田山、神楽坂の毘沙門天にはお参りしました。


 食べ歩きの回数はだいぶ減りましたね。なんだか、あれが食べたいとか思って、一々遠くまで出かけるのがもう億劫で、ほとんど松屋のカレーや牛丼で済ませてしまいます。特に知らない個人店に入るのはもう勇気が出ないので(というよりも、面倒くさく感じられて)外食といってもたまに神保町のエチオピアに行くぐらいです(それも回数がひどく減りました)。そうそう。この前に親戚の子と上野に遊びに行った時に、精養軒のオムハヤシライスを食べたのはちょっと珍しい体験でした。あんなに美味しいとは予想もしていなかったので。あとはもう地元の中華料理店(それもチェーン店)ぐらいですかね。神楽坂に行った折にウェンディーズがあったので食べましたが、それもかれこれ二年ぶりのことでした。

 

 あと趣味と言ってはなんですが、散歩が好きです。物書きに散歩好きは多いと思いますが、僕も御多分に洩れず、要するにあれやこれや考えながら、街を歩き続けるわけです。以前、池袋から川越まで歩いたことがあります。面白い発見があります。いつも通っているところに見知らぬ道があると、ぞぞぞっとしますよね。とても嬉しいものです。やはり一番情緒があるのは曲がった坂道で、それも路地のようなところが良いですね。そういうところにあまり人気のない神社かお寺があったりするともっと良いのですが、大体ありません。自動販売機も珍しいものはないし、ああ、つまらないなぁと思うと、妙なタイミングで商店街に出たりする。こういうのも好みですね。なので、休日はわりと歩きで遠くまで行きます。一駅や二駅なら歩きで行った方が面白い気がしています。旅行中もお寺まで三十分から一時間と言われると、まず歩きで行ってしまいます。商店街や土産物店さんを見て歩きたいという気持ちが起きてきます。それもあまり観光客の賑わったところではなく、少しは横道に逸れて、一見珍しくないような住宅街や畑の間を通りたい。レトロに汚れたお店なんかの前を通りたい。川なんかに出会うとぼうっとしてしまいますね。そこで、ぼんやりと昨日のことを思い出したり、明日の計画を立てながら、景色を眺めていると、また妙な感覚にとらわれて、気持ちがよくなったりする。気分がふさぎ込んでいても、こんなことをしているとホッとしてくる。つまりホッとしたいためにこんなことをしているのかもしれません。ホッとして創作に関する妄想をする。江戸川のほとりを乱れ歩く。散歩はいいものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] エチオピアさん好きですね(^ ^) 都内に行く機会あったら行きないなぁと思います。Kanさんに会えるかもですね(笑)。 オムハヤシすっごい美味しそう! 中身はケチャップライスより白いご飯…
2020/04/12 17:47 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ