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なんだかツッコんではいけない気がします。

氾濫は続いていますがボスは討伐されました。


 流石にちょっと疲れたよ、いや魔力の使いすぎが主な原因だと判ってはいるんだけどね、あんな魔力バカ食い魔法使ったばかりだし、そこに魔手で高速移動した結果慣れ親しんだ枯渇の症状出てるし。

 魔手を伸ばしてようやく森までたどり着く、木立に入りこれで見られる心配がなくなったと気を抜いた途端に意識が飛んだ。

 

 自分ではすぐに覚醒したと思ったが周囲の様子が森じゃない、目の前に繰り広げられている状況が疲れを倍加させて思い出させる。


 『とりあえず言っておくべきか、知らない神殿だ』


 そこはどこかの神殿のような見事な石造りの厳かな空間、その重たい空気の中で、()()姿()()()の目の前には赤髪で浅黒い肌をした半裸の偉丈夫がロープでぐるぐる巻にされ両脚をスライムみたいな存在で固定されてうつ伏せに転がっている、その腰には笑顔のまま(目が笑ってない)の白様が片足を乗せてグリグリし、何故か光の消えた眼の黒様が背中に腰掛けて半裸の頭を手に持ったロープの端でぽこぽこ叩いている、黄色様は慣れた様子で離れて笑っているし翠様に至っては気配はすれど姿は見えない、これはいつものことか、つまりは原初の神々(飛沫様の子)勢揃いな状況の中に呼び出されたようだ。

 そして独特の気配が伝えてくる、嘘みたいだろ? 神様なんだぜ、この半裸と脚を固定しているスライムみたいな存在。



 ─ まずはレージ様に謝罪を、この莫迦(赤神)が勝手な事をしたせいで大変な面倒をおかけしました


 白様、謝罪はいいんですが踏む力が強くなってるようですよ? 

 

 ─ ん、レージに謝罪と感謝を、この莫迦(赤神)が、ホント馬鹿(脳筋のバカ)が迷惑をかけた、そしてレージの使う魔法は見ていて面白い、こちらも励みになる


 うん、黒様も叩く手止まってないどころか強くなってますよね? 後その光を吸い込むような虚無の瞳が怖いです。


 ─ 汝に謝罪を、同胞(莫迦)……が迷惑をかけた


 惜しい! 翠様、内なる声が聞こえてます、後その凄く言いたくなかったって感じの沈黙が辛いです。


 ─ 儂からも謝罪させてもらおう、レージ殿、莫迦の馬鹿みたいな行いで迷惑をおかけした、そのような姿だったのだな


 黄色様はもはや隠すつもりもないですね……いや迷惑かけるって森で逢った時から言われてたけど、後そのレージ殿はやめてください、黄色様みたいな姿の存在に言われると背中がむず痒くなります。


 ─ レージさんに謝罪を、此の度は本当に迷惑をおかけしました、この! どうしようもない! ()鹿()のせいで! (わたくし)は「見守る存在(モノ)」「清める存在(モノ)」「生命の青」、貴方を歓迎致しますよレージさん、そして私からも祝福を


 青様めっちゃ怒ってるけどつやつやプルプルです、どう見ても青い半透明のスライム(不定形粘体)だし、確か人社会では子を抱く女性の姿の像が有名だったはず、後皆さんホントに赤様に容赦ないですね?


 ─ あー、のー、レージ殿? (グリグリ)痛いって白! (バシバシ)後黒もいい加減その叩くのヤメてくんねぇかな? (バシバシ)いてぇから! (バシバシ)地味に効いてるから! (ベシベシ)魔力浸透さすな! (…………)あと青、無言で俺の脚凍らすのヤメてくれ、もう感覚が無い、とりあえずすまなかった!

 

 ─ 青、赤は全身氷漬けが良いそうですよ


 ─ ん、戦馬鹿は数年不在でも問題ない、あとは眷属が上手く働いてくれる


 ─ そうよな、儂の子等もつこうてええぞ、枯渇させ無い程度でよかろ


 ─ 赤よ、神の謝罪にとりあえず、とは、どういう事か


 ─ 貴方は自分がどれだけ愚かな行為をしたのか理解しているのですか! 貴方の所為でレージさんが世界を嫌ったりしたらどう責任を取るつもりだったのですか、代替わりでもしますか? 創造主様直々にお叱りでも受けてみますか?


 ふむ、なるほど、今回の件で俺が世界と敵対するかも知れないってのと、飛沫様の介入も恐れられてるのか、多分何が起こってるか気がついてもいないと思うけど、俺も敵対する気とか無いし。

 まあ赤様には少し痛い目を見てもらおう、今回の件は少し考え足らずだし、どうやら怒られるのも今回が初めての事でもなさそうだし?


   しばらくお待ちくださ(お説教中です)


 ─ あー改めて、レージ殿、此の度は本当に申し訳なかった、俺は「討ち滅ぼす存在(モノ)」「再生を促す存在(モノ)」「源たる赤」だ


 癖の強い赤い髪の毛を短めに刈り揃えた彫りの深い顔、赤黒い肌のガッチリとした身体はよく使い込まれたような筋肉に覆われている、どこかで見たようなと考えていたが纏っている服(腰から下だけ)の雰囲気といい東大寺の金剛力士像だ、ただしこちらは腕が4本あるが。

 そんないかつい感じだがついさっきまで他の神々にフルボッコにされていた、戦神と言いつつ一番立場が弱そうだ、その赤神様は今床に胡座をかいて座り込んでいる、他の神々も、多分不定形の青様も姿の見えない翠様も座っているのだろう?


 もう一度状況を説明しよう、どこかの神殿のような石造りの厳かな空間のその空気の中で、石の床の上に白様が出したどうみてもビニールなレジャーマットを敷いて、神々と俺が揃って輪になってお茶を飲みながら卓袱台を囲んでいる、青様と翠様も飲んでいるっぽい、こんもりと盛り上がった青様から触腕ぽいのが伸びてるし、湯呑みが宙に浮いてるし。

 俺の正面に赤様、その両隣が青様と翠様だ、赤様のお目付け役らしい、ニコニコとして羊羹を食べてはお茶を飲む黄色様が居て何故か俺の両隣が白様と黒様だ、俺も暴れたら即取り押さえられるようにだろう、さっき赤様に物理攻撃をしていたのは実質この二柱だ、脚は崩せと満場一致で言われたので胡座をかいたら赤の神も真似てこの状況だ、普段床に座る事とか無いらしい、神様だしな。


 『それで赤の神としては今回の試しは納得いくものだったんでしょうか?』


 アレ以上を求められるなら広範囲爆裂魔法でも造るしか無いが、多分1発撃ったら意識失うだろうな。


 ─ おうともよ、あの【炎獄ノ獣(ヘルハウンド)】が()()()()のも驚いたが、それを物ともしないお前さんにも驚かされた、もちろんあの戦い方や最後の()にもな、俺のつまらん嫉妬なんざ見事に吹き飛んだわ


 赤様ニッコニコである、満足して頂けたらしい、だがなんか聴き逃しちゃいけない事実が聞こえた気がする、それはそれとしてやっぱりこのお茶美味しい。


 『あの魔獣は変異していた?』


 ─ ああ、俺が肩入れしたのは間違いないが、本来なら【炎獄ノ獣(ヘルハウンド)】はもっと小さい上に頭も1つだ、だがアレには2つの頭があって身体も二回りは大きくなってた、まあ森の氾濫の統率者級(ボス)が大型化するのは珍しい事じゃねぇがな? それでもせいぜいは一回り大きい程度だ、彼処(あそこ)まで巨大化することはほとんどねぇ、 (期待してるぜ?)


 どうやら神々でも想定外の事が起こっていた模様だ、他の神々も頷いている、あの魔獣に何処か不安定さを感じたのはそのせいだろうか? 何やら無理矢理2頭をくっつけたような違和感があった。

 でも神々が想定外だったって何が原因だろう、神々には思い当たることはあるようだが聞いても多分答えは帰ってこない気がする。


 ─ それでだ、迷惑かけた詫びって訳じゃないんだが、まずは祝福を、そしてこいつを持ってけ


 渡される親指大の涙滴型をしたルビーのような赤の強い宝石、手のひらに乗せて転がした途端に赤く炎を揺らめかせて消滅する、同時に俺の中に適温のカイロでも詰め込んだような暖かさを感じるようになったがなんだろうこれ、白様のクリスタルや黒い子の結晶と同じ物じゃないかと思ったが知識系じゃない?


 ─ 森の中じゃあ使い道は少ねぇだろうが俺の力をちっとばかし封じてある、力を活性化させるのに役に立つだろうよ


 『有難く?』


 身体強化系の何かだろうか? とりあえず返せと言われても既に摂り込んでしまったあとだしありがたく頂いておこう、変なことにはならないはずだ。


 ─ それにしても土の術の使い方にしても愉快だと思うとったが、あの戦い方は更に愉快だったの


 面白そうに目を細めてる黄色様だが、ずっとモグモグしてるその羊羹は何切れ目だろう? 甘いモノ好きなんだろうか?


 ─ あれは吃驚だった、いつも静かなうちの庭で拍手が起きた、そっちも吃驚だった


 黒い子様の所が賑やかだったらしい、スポーツ観戦でもしてた感じに聞こえる、多分間違ってないだろう、拍手したのってあの時ちらっと見えたメイドさん達だろうか?


 ─ よくもまああんな戦い方を思いついたものだと見ていたが、まさか己の身すら捨て身の武器と化すとはな、その勇猛さとあの戦いっぷりだけでも俺の祝福に値するぜ?


 ニヤリと漢臭い笑顔を見せる赤神様、こうして見ると戦神と言われるのも納得なんだが、湯呑みを持って羊羹を旨そうに齧りながら言われても反応に困る、いや確かにお茶も羊羹も美味しいんだけど、普段は味覚とか関係ない生活だし。


 ─ でも最後の炎は危険過ぎます、使うところは気をつけてくださいね?


 『アレは失敗作なのでそんな使うものじゃないですよ、あの場では赤様の試しだったので使いましたが』


 ─ お願いしますよ?


 白様の警戒心が物凄い、当然の事だといえるが、久しぶりのジト目だ。


 ─ レージさんの特殊性はまだ解りますが、あの蔦の子も面白い育ち方してますよね


 『アイビーですね、俺に寄生したせいで特性がかなり変わった物になったようです』


 ─ それは<名付け>を行ったから、であろう、力ある存在が下位の存在に名付けを行った場合に極稀に起こる


 何も無いところから声、翠様移動されると居場所が不明です。


 ─ なんせ【混沌の種(カオスシード)】に寄生した蔦など初めてですからね、あの子も新種として成長していくでしょう、そのうち我々の誰かから祝福を受けるかもしれませんね


 『そういえば先日の翠様の気配にも気がついていたようですね、耐えるのが精一杯だと言っていましたが』


 ─ それが普通の事、いや普通はそれすら難しい、我等の前でも普通にできる汝が特異なだけの事


 ─ レージ様は創造主様の前でも変わりませんでしたから


 お前はおかしいと言われてるようにしか聞こえないのですが? まあ自覚はあるので黙っておこう。

 と言うかなんだかすっかり公民館かどこかでお茶飲んでる雰囲気なんですが、時間はいいのだろうか、いつも時間切れで帰ってた気がするのだが。


 ─ 皆、時間のようだの、レージ殿、新しい像が出来たらまた寄らせてもらうからの


 ─ 森に居るようじゃ俺の出番はほとんどねぇが、今回は面白いもん見させてもらった


 ─ 水のある所で呼びかければ私に声が届くでしょう、困った事があったらいつでもどうぞ


 ─ 我は何時でも見ておる、汝が汝である限り力を貸そう


 ─ レージの活躍を期待してる、うちの眷属達もレージのファンが増えた


 ─ 此の度は本当にご迷惑をおかけしました、何か問題が起こったら何時でも呼びかけてください、問題がなくとも呼び掛けて頂けたら主に私が喜びますよ? ではまた何か在りましたら。


 意識が沈んでいく、ああ、これただ神様達に呼ばれただけじゃなくほんとに枯渇で気を失ってたようだ、どっと疲労が押し寄せてくる。

 まだ葉を伸ばしてなかったからろくに光合成もできない状態だったな。

 アイビーはどうしてるだろう、頑張りすぎてなきゃいいが。

 思考が上手くまとまらない、まだ枯渇状態から抜けていないようだ。

 もう少し休ませてもらおう。

 

神様一同に集めると会話がめんどいです!

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