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森の中層へ。

ゴブさん達はとりあえず放置。

周辺の人達が頑張るでしょう、多分。

 今日ものんびり光合成だ、つまりは暇だ。

 『暇だねアイビー』

 (普通は森を駆け回る樹木と言う存在の方が珍しいと思いますが、あと暇だと言いつつ放たれる魔法で広場が穴だらけです)

 まあ普通の樹は動いたりしないしな、似たようなモンスターも存在する、とは聞いているがこの森ではまだ出遭った事がないし、動く植物と言うのもアイビー以外見た事がない。

 標的として作った土壁を取り囲む様にして突き刺していた何本もの土槍が地面へと引っ込み、地面の穴を埋め立てていく、土壁も粉砕して足りない部分に運び込む、どれも土系の魔法だ。

 土系は俺が一番相性が良い魔法だ、植物だからと言うのもあるが、形を変えたりする汎用性が高いのもありがたい。

 今拠点として過ごしているこの広場はもともとはもっと小さなものだった、魔法の練習をした時に勢いで拡げてしまったものだ、若干やりすぎたと反省はしているが、割と自然の回復は早そうだ、この分なら1年も立たないうちに広場は埋もれて隠れてしまうだろう。


 俺はどうせ属性魔力を集めたり、魔物を追ったりで長い事一箇所に留まらない、そろそろここも移動する頃合だろうか。

 『移動しようか』

 (御心のままに、とはいえそろそろ野生動物達の繁殖期が始まる頃です、獣の餌(ゴブリン)はあまり減らさない様にしておいた方が影響が少なくてよろしいかと)

 アイビーさんが優秀すぎる件、というかその情報の出所が知りたいです、とりあえず素直に従った方がよさそうだ、餌が足りないからと人里を襲ったりするような事が起こっても困る。

 


 森を進む、振動感知をしながらなのでゆっくりだ、別に急ぐ目的もない、時折【鑑定】に引っかかる目に付いた茸や薬効のある草等を摘み取り、【ストレージ】へと収納する。


 【ストレージ】は飛沫様から俺に与えられた能力だ、と言えば聞こえは良いが、実際は飛沫様が内部サンプルを集める為に作ったのがこのストレージ領域で、自分では集められないので俺に適当に放り込んでくれと依頼されたものだ。

 ここに放り込んだものを飛沫様が内部データのサンプルとして検分し情報を蓄積する、更に情報はヌシペディアに記載されて俺も情報として引出せる様になる、ついでに言えば容量はほぼ無限と言って良い、なんせ繋がってるのが飛沫様の用意した領域だけに内部世界の半分位はあるんじゃないか? と言われたくらいだ、うん、ゲームとか小説の知識からこう言うのが必要だって思ったって、ありがたいんだけど凄くもやもやする!

 ちなみに【ストレージ】の入り口は最大で俺の幹の直径と同等の黒い穴みたいになっている、それより大きいものは入れられないという事だ、長さ的には樹が1本そのまま収容できた、取り出すときに苦労しそうである、お約束だが目視出来るサイズの生物は収容できないらしい、茸や種は収容できるから何かの法則があるのだろう。

 性分ではないので細かい事は気にしない事にする、便利につかえるなら使うだけだ、能力がヌシペディアに連動してる時点で誰の仕込みかばれてる(気にするだけ無駄だ)し!

 なんというか、相変わらずの過保護っぷりである、情報収集端末としての機能保全に必要な装備のつもりなのかもしれないが、多分半分は面白がってるだけだろう。


 森の中層域、ここは樹や森中に漂う魔力の密度も上がり、必然的にここに棲む魔物も強化される。

 その分属性魔力や他の魔力も手に入れやすいし、戦い慣れするにはもってこいであるといえる、なんだか俺も随分と好戦的になった気がする、割と最初からだった気がしないでもないが。


 例えば熊、森の浅い層に居るのは【森林熊(フォレストベア)】という見た目大きいがまだ普通の熊だった、それが中層になると風の属性魔力を持ち、その名も【暴風熊(ストームベア)】と名を変える。

 額部分に翠色の魔石を持ち、時折カマイタチのような遠距離攻撃を仕掛けてくる、確認できているのはそれだけなのでひょっとするとそれ以外の技は無いのかも知れないが、元の力が熊だけに油断していると俺と同サイズの樹ですら一薙ぎで倒される。


 他にも二足歩行の魔物が増えてくる、【猪頭(オーク)】なんかもそうだ、RPGでお馴染みのあいつ等だが、こっちでは豚ではなくイボイノシシのような頭をして大きな牙を持つ、全身を硬く短い毛で覆われたがっちりとした人型だ、暴力的だが雌雄もあって原始的だが家族単位のコロニーを作って生活している。

 こうなってくると敵として扱うのに若干抵抗も出てくるが、襲ってくるなら仕方ないので倒す、まあゴブの様に積極的に襲う(ヒャッハーする)ような相手ではないが。

 何せ向こうから積極的に襲ってくる相手に事欠かなくなるのがこの中層だ。

 俺が弱いと思われてるだけなのかもしれない、野生動物や魔物はそう言うところに敏感だし。

 (森を汚すだけの獣風情が御主人様(マスター)に牙を向けるなど赦し難い事ですが)

 アイビーさんが辛辣です、というか最近ますますキャラが濃くなってきてる気がします、会話してて時々蔦だって事忘れそうになるし?

 『実力を示せって事なんだと思うよ? 俺達はまだここに来て日が浅いからね』


 少し離れた位置に虫寄せの実を飛ばしながらアイビーを宥める、これからしばらくは戦闘が続く事になる、ご機嫌を損ねない様にしておくべきだ。

 負ける気は無いが気を抜きすぎてもいけない、サンプル採取もしなきゃいけないし自分の強化も忘れてはいけない、レベルアップは無いと思ったがスキルや能力も使っていれば成長はする、ゲームの様に解り易く能力を数値化する、と言う概念が無かったせいで少々感覚が掴みづらいだけだろう。

 これはこういう成長システムなんだと思ってしまえば嫌いではない、ああゲーム脳だなと自分でも思うが楽しんでしまった方が気も楽だ、樹としても楽だ。


 周囲の樹に不可視の魔力ワイヤーを張り巡らし、樹からの振動や接近してくる存在を捉える様にする、樹を伝ってやってくる猿のような魔物の襲撃に備える為だ。

 魔力視を使えば丸見えのトラップだが、そう言う連中はワイヤーに攻撃を仕掛けてくる、まだ高度な知能を持ってワイヤーを潜り抜けてくるような相手には遭遇していない。

 俺の身体に絡まっているアイビーからは白い蕾がいくつも生まれている、蔦の一部は地面へと降り周囲一面に蜘蛛の巣のような拡がりを見せ、これもまた白い蕾をつけ始めている。

 見た目だけならこの辺に以前から生えて蔦に絡まれた樹に見えるだろう。


 おもてなしの準備はこんなものだ。

 さあ、俺達の実力を示そうじゃないか。

この世界のオークは頭がいぼいのししで全身が短い毛に覆われた筋肉質です。

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