その風は灼熱の如く。
暗い森で
魔樹に
出遭った
短いです
魔法がつかえる!
思っていた以上にスムーズに、そして強力に魔法が放たれた。
魔手から撃ち出したが特に反動らしい物はない、打ち出すのにも魔力が使われていると言うことだろうか、魔手の力が上がっていることもありうるがそれでも反動を感じないほどではないだろう。
改めて魔手を見る、植物感が減り、異形感が増している、実際には本物の手の様に拳を握り込んだり出来る様になった分便利ではある、道具の取り扱いも上手くできるだろう。
木なんだけど。
魔手を1本前にもって来る、色が前より少し黒くなった気がするがそのままニュルリと前方へ、前方へ前方へ、と、さっき水弾が着弾した木に触れた、目視約20メートル、他の手も伸ばす、ニュルリニュルリと、普通に届いた、その数6本。
ヤダこの木ちょっとキモいんですけど!? いや俺の身体ですけどね。
これは人に見られては駄目だ、しらなきゃまず敵対される、そうじゃなくても恐怖の対象だろう。
でも、使うしかないんだよなあ。
【悲報】特に何かしたわけでもなくどんどん俺が邪悪化していく件
どうしようこのもやもや、うん、こうなったらゴブにぶつけよう! 奴らならいくら八つ当たりしても心が痛まない。
どちらにしろ属性魔力も集めに行かなきゃならないし、森を調べるのは当初の予定通り、昨日であったゴブも気になる。
森を進む、昨日始末したゴブリンの死体は既に消えていた、野生動物の餌になったか自力で移動したか、そういえば【小鬼】をはじめとする所謂【魔物】に分類されるモンスターは体内に魔石を生成する事がある、これは連中が魔力の多い所で生育する為らしいが、以降それぞれが身体に摂り込んだ属性の多さによって魔石の属性や内包魔力にも影響を与えるということだ。
ひょっとすると俺の身体にも何処かに魔石があるのかもしれない。
森の雰囲気に変わった所はない、それはそうだろう、この世界では日常が繰り返されているだけ、俺が一人で一喜一憂して大騒ぎしてるだけだし、今の段階で世界に影響を与えるとか自惚れてもいないつもりだ。
昨日ゴブと出会った位置から反対側、ゴブが歩いてきた方向へと進む、ゴブ達の集落があればそっちだろう、警戒を強める。
やがてゴブ達の物と思われる声が聞こえてくる、あいかわらず「グゲグゲ」と聞こえるばかりで何を言っているのかわからない。
これから駆除する相手だし都合がいいと思うしかない、変に話が理解できて同情しそうになっても困るし。
手足は柔らかいが身体が硬いのでそーっと覗くという事が出来ない、いや太い木の背後から身体半身でなら出来るんだけど、あまりいい光景ではないかもしれない、【振動感知】さんは10体余だと判定している、効果範囲外や巡回に出てる者がいるとすればもっと増えるだろう、少し様子を見る事にする。
日暮れ時、もう帰還してくるゴブも居ないだろうと頃合を見計らって反応を探る、15体、やはり少し増えたようだ、作戦を考える、今の力なら殲滅は割と容易いだろう。
実を生み出す、カプサイシンの実、【完熟】させ待機、魔手を伸ばす、【起動陣】展開、属性風、実をゴブ達の中に放り投げ、全体にいきわたる様に突風を巻き起こす。
ゴブ大混乱! ろくに悲鳴も上がらない、それはそうだろう、眼をあけても口を開いても待っているのはカプサイシン地獄だ、悲鳴を上げようと息を吸い込めばどうなるか、喉の粘膜を焼かれのた打ち回るだけだ。
そのまま俺突入! 全魔手を展開、身動きできない者から順に捕まえ、吸い尽くす。
完全にモンスターの襲撃だが、事実その通りなので気にしてはいけない。
10分余で静かになる、全員吸い尽くしたわけではないが殲滅は完了だ、思っていた以上にカプサイシンが強力だった、使う場所に気をつけよう。
今回の切断は魔法を使う、本来土を変形させて壁とか作る魔法だが、切断するのも押し潰すのもかわらないだろう。
魔法も戦闘も慣れが必要だ、ゴブ相手なら何とかなっても他の相手がどうか、知能を持った相手だとどうか、戦いたくはないがそうとばかりも言ってられないだろう。
戦闘から始まる話し合いの方が多いかもしれない、気は重くなるが諦めよう、俺は人の気持ちは判るが人では無くなったのだから。
どうせ目的も無い森の旅だ、まずはこの森のゴブを駆逐して回るとしよう。
カプサイシントルネード!
数日お休みを頂くかもしれません。
不定期更新のはずだったのに?




