アルフレート・カンザキ
「! あの魔法陣ね! 破壊します!」
エスカローネはデーモンたちの後方にあった、赤い魔法陣を見つけた。
光の翼で高速滑空すると、エスカローネは魔法陣めがけてハルバードを振り下ろした。
魔法陣はひびが入り破壊された。
その後すぐ、エスカローネはみんなのところまで戻った。
「あとは軍に任せてO.k.だと思うわ。私たちは下がりましょう」
エスカローネがシュヴェスターのみんなに言った。
「まさか、ヴァルキューレがここまでやるとは思わなかった。君たちシュヴェスターは私の予測を越えていたよ」
「!? 誰!?」
エスカローネは声のした方を向いた。
そこには茶色い髪のオールバック。黒い瞳、セーター、スラックス、白衣を着用した男が空中にいた。
「あなたは誰?」
エスカローネが尋ねた。
「私はアルフレート・カンザキ。アルフレート・カンザキという者だ」
カンザキはシュヴェスターたちを見おろした。
「さすがにローザリントやアイトラを退けただけのことはある。あのアークデーモンが全滅とはね。私の認識が甘かったようだ」
「あなたがあのカンザキ!?」
「その通りだ、ヴァルキューレよ。私は今回の戦争で王都フレイヤを落とすつもりだったが、君たちのおかげで台無しにされたよ。あのアークデーモンがすべて倒されるとは……」
カンザキは白衣をなびかせて地上の道路に降り立った。
「もっとも、私の戦力は残っているがね」
「あなたはヴェヌスタシアをどうしたいの!?」
「フッ、簡単なことだ。私が新たな王となり、国家の父となる。それが私の野望だ。そう、私の崇高な野望だよ。だが君たちの存在は私の野望への障害と見なすべきだろう。ゆえに君たちにはここで死んでもらおう、シュヴェスターの諸君」
カンザキが右手を上に上げた。
「現れよ、我がしもべ、ノーベル・ドラッヘ(Nobeldrache)よ」
カンザキの前に緑に光る魔法陣が現れた。
そしてその中から長い首、冠のような額、翼、4足歩行するドラゴンが出現した。
「!? なんて魔力なの!?」
とエスカローネ。
「クックック。もし生き残れたのなら、北のヴァーグナー山にあるアルベリヒ研究所に来るといい。そこが私の研究所であり、本拠地だ。では、さらばだ、シュヴェスターの諸君」
カンザキは転移魔法を発動させると、その場から姿を消した。
「ギャアオオオオオオオオン!」
ノーベル・ドラッヘの咆哮。
「すごい圧力だわ!」
とアンネリーゼ。
「みなさん、協力してこのドラゴンを倒しましょう!」
とベアーテ。
「まずは私が行きます! 岩石弾!」
大きな岩がいくつも上空に現れた。
岩石はノーベル・ドラッヘを押しつぶすべく飛来した。
岩石がノーベル・ドラッヘに次々と命中する。
「ギイイイイイイン!?」
「これで、どうですか!」
ノーベル・ドラッヘは赤い目をアウラに向けた。
口にエネルギーを収束する。
そして口からアウラを狙って、赤い熱線をはいた。
アウラは杖の先端に魔力を集中させ、熱線を受け止めた。
風の魔力で炎に対抗する。
「くううううううう!? あああ!?」
熱線がアウラに当たった。
「すいません……戦線離脱します……」
「紅蓮!」
爆ぜる矢がノーベル・ドラッヘに命中した。
「ギャアアアアアアアン!?」
ノーベル・ドラッヘが叫び声を上げた。
「どう、効いた?」
ノーベル・ドラッヘはシャルロッテの方を向いた。
ノーベル・ドラッヘの熱線がシャルロッテを狙った。
「迎撃、竜牙衝!」
シャルロッテは竜牙衝で熱線を狙った。
ところが熱線は竜牙衝を押しのけてシャルロッテに迫った。
「そんな!?」
削られた熱線がシャルロッテに命中した。
「きゃああああああ!? くっ!? ごめん、戦線離脱するね!」
エスカローネ、アンネリーゼ、ベアーテ、マリアは四人連続攻撃を行った。
しかし決定的なダメージを与えることはできなかった。
ノーベル・ドラッヘは大きな雷の球を作った。
それによって圧力で押し付けた。
「シュヴェーア・ドナー(Schwerdonner)である。
「きゃあああああああ!?」
「くうううううううう!?」
「あああああああああ!?」
シュヴェーア・ドナーの力によって四人とも戦闘不能に追い込まれた。
「くっ、このままじゃ……」
「下がっていろ!!」
そこに青いマフラーをはためかせ、さっそうとセリオンが現れた。
セリオンは雷の力を大剣にまとわせると、一撃必殺の「雷光剣」を放った。
「沈め!」
雷光剣がノーベル・ドラッヘに直撃した。
「ギャオオオオオオオオオン!?」
ノーベル・ドラッヘは絶叫を上げた。
そしてその場に倒れこむと、緑の粒子と化して消滅した。
「す、すごい……これが、英雄の力……」
アンネリーゼが嘆息した。




