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アークデーモン

王都フレイヤでは、対悪魔の市街戦が想定されることから、国民の外出が規制された。

その日は濃い霧が発生していた。

霧で周囲の状況を把握するのが遅れた。

ますます敵に有利な状況となった。

王国軍は王都の中心部に司令部を置いた。

敵がいつ出現しても、すぐに対応できるようにという配慮からだった。

霧の向こうから、静かにデーモンの群れが現れた。

「敵の接近を確認! 敵は霧の向こうから接近中です!」

「ようやく現れたか。待ちくたびれたぞ」

フランツ将軍は甲冑を身につけていた。

兵士たちも臨戦態勢であった。

ヴェヌスタシア王国軍とカンザキ配下のデーモンたちとの戦闘が始まった。

兵士たちの主武器は槍である。

また補助用に投げ槍を持っていた。

王国軍はフランツ将軍の指揮下にあった。

王国軍は歩兵五千に騎兵千、対してデーモンは一万であり、後方にはアークデーモンが六体控えていた。

デーモンの色は深緑。

アークデーモンの色は赤であった。

「全軍攻撃開始!」

フランツは全軍に攻撃を命じた。

フランツは無能ではなかったが猪突の気配があり、攻撃を得意としていた。

逆に防衛戦は苦手だった。

また、性格的には短気で怒りっぽかった。

王国軍はまず、補助武器の投げ槍をデーモンたちに放った。

投げ槍はデーモンたちを貫き、転倒させた。

「今だ! 突撃!」

「おおおおおおおおお!!」

ときの声が起こった。

王国兵たちは投げ槍を受けて苦しんでいるデーモンたちに向けて突撃した。

王国兵はデーモンよりもリーチの長い槍で攻撃し、戦果を挙げた。

市街戦では周囲の建物が大軍の動きを阻害する。

むしろ数が多いことが不利になるのである。

全体として王国軍が優勢だった。

デーモンたちは鋭い爪で攻撃することができず、次々と倒されていった。

デーモンたちが浮足立った。

それを見たフランツ将軍は決戦兵力の騎兵をデーモンの後方側面に投入した。

騎兵の突撃によってデーモンたちはますます犠牲を出していった。

「フハハハハハ! どうだ! 王国軍の強さを見たか! いかがわしい修道会の手など借りる必要はない! 我々だけで悪魔の軍勢などひとひねりよ! あんな修道会など後方で負傷者の看護でもしていればいい! この戦争は我々だけで十分だ! この戦争はもらったな!」

フランツ将軍は調子に乗った。

彼はもう勝ったかのようにふるまい、錯覚した。

このような司令官のあり方は部下たちに伝染するものである。

部下たちは上の人のあり方を見る。

フランツ将軍はそれに気づかなかった。

部下の兵士たちも安易にこの戦闘が終わると錯覚してしまった。

「全軍突撃!」

フランツ将軍は全軍に前進の命令を出した。

王国軍はもはや敗走しつつあるデーモンの群れに突撃していった。

その時である。

後ろにいた赤い悪魔――

アークデーモンが前線に現れた。

王国兵はこの六体のアークデーモンも緑のデーモンと同じだと過信した。

ところがこのアークデーモンたちには投げ槍が通じなかった。

アークデーモンの皮膚は硬く、兵士たちの槍も受け付けなかった。

アークデーモンたちは両手から黒い雷を起こした。

ディザスターボルトである。

たちまち、王国軍の兵士たちが倒されていった。

さっきまで優勢だった勢いは消滅した。

ディザスターボルトの攻撃を受け、王国軍は出血を出していた。

「なんだ!? いったい何があった!?」

フランツ将軍は混乱した。

アークデーモンは口からブリザードブレスをはいた。

氷結した息が兵士たちを血潮に染めていく。

さらにアークデーモンは鋭い爪で兵士たちの鎧ごと切り付けた。

このままでは王国軍はやられてしまうだろう。

「そこまでよ!!」

そんな時に、戦場に6人のシュヴェスターが現れた。

「これ以上の殺戮は、この私たちが許しません!」

それはベアーテに率いられたエスカローネたちだった。

ベアーテ=アレクサンドラ。

エスカローネ・エルフェンクランツ。

アンネリーゼ。

マリア=ソフィア。

シャルロッテ。

アウラ・コンコルディア――

6人のシュヴェスターである。

6対6でシュヴェスターたちはアークデーモンと対峙した。


エスカローネたちがアークデーモンと対峙したころ、王宮近くのマイセ川沿いに魔法陣が出現した。

その魔法陣から一体のアークデーモンと、千体のデーモンが現れた。

実は最初の魔法陣はこの魔法陣を出すための陽動であり、王国軍を引き離すためであった。

クラウスは王宮近くの川沿いからデーモンの群れが近づいてくるのを見た。

騎士団の兵力は400である。

「騎士たちよ、敵の接近だ! 全員武器を取れ!」

騎士の武器は剣であった。

騎士団はマイセ川にかかる橋の出口に布陣した。

ここなら狭くて、敵の数の有利を不利に変えることができるからだ。

騎士団とデーモンとの戦いが始まった。

とそこにセリオンが現れた。

「敵の狙いはこちらが本命だったか。戦場を上から見ていて正解だった」

そこに三体のデーモンがセリオンに鋭い爪で襲いかかった。

「甘い」

セリオンは流れるような動作で、デーモン三体を斬り捨てた。

「行くぞ? 雑兵ども!」

セリオンは青い遠きを発した。

凍てつく闘気がほとばし出る。

「翔破斬!」

セリオンは大剣から蒼気の波を出した。

それはすさまじい攻撃だった。

一撃で二百体ほどのデーモンが吹き飛んだ。

「す、すごい……」

「すごい、すごいぞ!」

「これなら勝てる!」

兵士たちはセリオンの一撃で元気づけられた。

「青き狼、セリオン・シベルスク、参る!」

その時である。

セリオンの前方からブリザードブレスが吹き付けられた。

セリオンは蒼気を大剣にまとわせ、氷結の息を斬り裂いた。

「赤い悪魔か。アークデーモンか」

戦場にアークデーモンが現れた。

「俺に目をつけてくれるのは都合がいい。相手になってやる、来い!」

アークデーモンは怒りの叫び声を上げた。


エスカローネたちは各々の持ち場でアークデーモンとの戦闘に入った。

エスカローネ対アークデーモンである。

「リヒト・フリューゲル(Lichtflügel)!]

エスカローネの背中から光の翼がはえた。この翼は高速機動が可能になり、エスカローネの機動力を大きく高める。

アークデーモンはエスカローネに向けてブリザードブレスをはいた。

エスカローネは高速飛翔し、この攻撃を横にそれて回避した。

ブリザードブレスの冷たさをエスカローネの肌は感じた。

エスカローネはアークデーモンに高速接近した。

そしてハルバードで斬る。

しかし、エスカローネの攻撃はアークデーモンの爪で防がれた。

アークデーモンは爪を交差させ、エスカローネを切りつけようとした。

エスカローネは高速飛翔で後退し、この攻撃をかわした。

アークデーモンは黒い雷電、ディザスターボルトを放った。

エスカローネはこの攻撃に対して、ハルバードの先端を向けた。

「リヒト・カノーネ!」

光の力を集めた砲撃がディザスターボルトとぶつかり合った。

わずかな拮抗の末に、リヒト・カノーネがディザスターボルトを撃ち破った。

「この機会、逃さない!」

エスカローネはリヒト・ヘレバルデを発動すると、アークデーモンに高速接近し、その首を斬りつけた。

アークデーモンの首がその場に落ちた。


アンネリーゼの斬撃。

しかし浅かった。

アンネリーゼ対アークデーモンである。

「まったく、硬いわ、ね!」

アークデーモンが鋭い爪で攻撃してきた。

アンネリーゼはすばやく身をこなしてアークデーモンの爪をかわした。

「ふふん! 当たらないわよ!」

アンネリーゼが着地する。

アークデーモンは爪を伸ばしてアンネリーゼを攻撃してきた。

アンネリーゼはその攻撃を軌道を予測してよけた。

「これで、どうかしら?」

アンネリーゼは曲刀に水の力をまとわせた。

水の魔力を高める。

「水波斬!」

「グオオオオオオオ!?」

アンネリーゼの水波斬と、アークデーモンの爪がぶつかった。

「グギャアアアアアア!?」

アークデーモンのわき腹が斬れた。

多量の出血が起こる。

「これでもくらいなさい! 氷裂弾!」

小さなナイフ上の氷がアークデーモンに殺到した。

氷の弾はアークデーモンをズタボロにし、その命を奪った。

アークデーモンは黒い粒子と化して消滅した。


セリオン対アークデーモン。

セリオンの斬撃とアークデーモンの爪が交差した。

「グガアアアアアア!?」

アークデーモンの右腕が切断された。

アークデーモンは苦しみの叫び声を上げた。

切断された右腕から血がしたたる。

「ガアアアアア!」

アークデーモンは怒り狂った。

怒って、ディザスターボルトを繰り出した。

闇黒の雷撃がセリオンに迫る。

セリオンは膨大な蒼気を放出した。

その蒼気をセリオンはディザスターボルトに対して叩きつけた。

セリオンはディザスターボルトを無力化した。

アークデーモンのブリザードブレス。

氷のつぶてが混じった息がセリオンを狙った。

セリオンは走り、冷静に回避する。

「シギャオオオ!」

「冷静さを失っているな。そんなに怒り狂っているのか。まあいい。本当の雷をおまえに見せてやる!」

セリオンは雷の力を大剣に集めた。

大剣からセリオンの青い雷が放電した。

セリオンはアークデーモンにダッシュで接近すると、必殺の一撃・雷鳴剣を放った。

「シギャアアアアアアア!?」

青い雷電が激しくアークデーモンに打ち付ける。

アークデーモンは全身を感電させた。

アークデーモンはあおむけに倒れた。

そのまま黒い粒子と化して消えた。

「魔法陣を破壊する!」

セリオンはデーモンたちの側面を神速のごとく抜けていき、緑の魔法陣へと迫った。

それから、セリオンは大剣を魔法陣の中心に叩きつけた。

魔法陣はひび割れて消滅した。


ベアーテ対アークデーモン。

アークデーモンはディザスターショットを出した。

それは手のひらに乗るボール状だった。

ベアーテは軽く剣を振るって迎撃した。

「ウゴアアアアア!」

アークデーモンは両手に闇の魔力を集め、ディザスターショットを二つ形成した。

それからベアーテめがけて投げつけた。

ベアーテは居合のように素早く剣を振るい、二つのディザスターショットを切断した。

ベアーテは剣に雷の力を集めた。

そして、剣の刃から雷電の刃を発射した。

「雷電刃!」

アークデーモンはディザスターボルトを放った。

二つの攻撃は優劣を競うと、雷電刃がディザスターボルトを破った。

アークデーモンに直撃する。

「ギシャアアアアアアア!?」

「くらいなさい! 電刃千花!」

ベアーテは一気にアークデーモンに近寄ると、アークデーモンを電刃で斬り刻んだ。

「グゴアアアアアア!?」

アークデーモンは絶叫を上げた。

そのままあおむけに倒れると、粒子化して消滅した。


マリア対アークデーモン。

アークデーモンはマリアにブリザードブレスをはきつけた。

マリアは回避。

その隙をついて、アークデーモンに槍で斬りつけた。

アークデーモンに軽い傷ができた。

「通常攻撃はあまり効きませんか……」

「ギシャアアアアア!」

アークデーモンが鋭い爪で反撃してきた。

「おっと、当たりませんよ」

マリアはバックステップして、アークデーモンの攻撃をかわした。

アークデーモンは闇の力を両手にまとった。

アークデーモンはマリアに近づき、圧縮した魔力を地面に叩きつけた。

道路が爆ぜた。

マリアは大きくジャンプしてよけた。

アークデーモンはバスケットボール状の魔力を形成した。

ディザスターショットである。

「ゴアアアアア!」

アークデーモンがディザスターショットを放とうとした瞬間、マリアはアークデーモンに接近し、光の連続突きを放った。

「光烈槍!」

光烈槍はディザスターショットごとアークデーモンを刺し貫いた。

アークデーモンは全身に刺突を受けて倒れた。

そして、黒い粒子と化して消滅した。


シャルロッテ対アークデーモン。

シャルロッテの炎光線とブリザードブレスがぶつかり合った。

威力は双方とも拮抗していた。

「紅蓮!」

爆発する矢をシャルロッテは射出した。

「ギニャアアアアア!?」

アークデーモンは横にそれてそれをかわした。

アークデーモンはディザスターショットの構えを取った。

「今よ、大牙だいが!」

シャルロッテは大きな炎の矢をアークデーモンに射った。

大牙はアークデーモンの腹を貫通した。

「アギャアアアアアアア!?」

アークデーモンは苦悶の叫びを上げた。

アークデーモンは両手に闇の魔力を集めた。

ディザスターボルトを放った。

シャルロッテは迫り来る黒い雷電に狙いを定めた。

そして必殺の一撃を発射した。

「竜牙衝!」

竜の形をした炎の矢が、ディザスターボルトを貫通し、アークデーモンに命中した。

アークデーモンはうつぶせに倒れた。

そして、黒い粒子と化して消滅した。


アウラ対アークデーモン。

アウラは「風刃」を唱えた。

アークデーモンを鋭い風の刃が斬り刻む。

アークデーモンから出血が起こった。

「ガルアアアア!」

アークデーモンは怒った。

アークデーモンはディザスターボルトを放った。

アウラは魔法障壁を展開した。

魔法障壁でやり過ごす。

アウラは杖の先に魔力を送り、石の魔法を唱えた。

石槍×2である。

アウラは石槍を発射した。

石の槍がアークデーモンを狙う。

アークデーモンはディザスターボルトで迎撃してきた。

石槍VSディザスターボルト。

アウラはそのあいだに次の魔法を唱えた。

「旋風陣・巻!」

旋風が直線的に起こり、ディザスターボルトを撃ち破る。

アークデーモンの体が鋭い風によって切り刻まれた。

「旋風陣!」

さらにアウラは旋風陣で追撃した。

「シゴアアアアアアアア!?」

アークデーモンは倒れると、黒い粒子と化し消滅した。


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