表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/37

エスカローネの秘密

ムッター・テレージアの執務室にエスカローネ、アンネリーゼ、ベアーテ、マリア、シャルロッテ、アウラが集められた。

この部屋の中に一人だけ異質な人物がいた。

名はケーテ(Käthe)。

彼女は女騎士で、ヴェヌスタシア王国の王女マリアムネ(Mariamne)姫の側近である。

彼女はザンクト・エリーザベト修道会に用があって訪れていたのであった。

「我が主君からの伝言を承って参りました」

ケーテは金髪で長身、茶色の瞳をしていて、軽い鎧を身につけていた。

「我が主君マリアムネ姫は同修道会の日ごろの活動に目を止められ、その功績に報いたいと思い表彰したいとのことです。つきましては、明日王宮へとおこしいただきたいと思っておられます。ご了承していただけましたか?」

一同を代表してベアーテが。

「これはとても名誉な話ですね。王国の王族が私たちの日ごろの活動や、ミッションを評価してくださったのですから。それでは明日、王宮へと私たちはまいりましょう」

「はっ! ありがとうございます。それでは明日、準備を整えて、お待ちしております。それでは!」

ケーテは深々とおじぎした。

それからムッター・テレージアの部屋を退出した。

ちなみに騎士団と軍の違いは、騎士団が王族の警護に当たるのに対して、軍、正式には国防軍はその名の通り、国防を担当する。

ヴェヌスタシア王国は立憲君主制の国である。

王が直接統治していた王制時代もあったが、近代に入ってからは王は後方に退き、形式的な存在となった。

近代からは立憲政体となり、国民から選出される議会と内閣が統治を行っている。

エスカローネたちがムッターの部屋を退出していくと、ただ一人、ベアーテ=アレクサンドラだけが部屋に残った。

「どうしましたか、ベアーテ?」

ベアーテは真剣な表情で。

「ムッター、礼の調査での中間報告をしたいと思います」

「いいでしょう。では話してください」

「はっ! 調査の結果ですが、エスカローネとエルフェンクランツ夫妻とのあいだに血のつながりはありませんでした」

「血のつながりがない? しかし、エスカローネさんはエルフェンクランツ夫妻に育てられたはずですね?」

「はい、それは確かですが、いつからエルフェンクランツ夫妻に育てられたのか、記録にないのです」

「ふむ……けげんですね」

「幼稚園からの記録は確かめられました。その時から、ブルーダー・セリオンと出会っていることも確認できました」

「それでは、エスカローネさんは誰のこどもなのですか?」

「それも調べましたが、わかりませんでした。一つ気になることがありました」

「その気になることとは?」

「はい。ゴットフリート夫妻のことです。アーダルベルト・ゴットフリート(Adalbert Gottfriedt)――彼は生命科学者ですが、彼の妻サクラ・イノウエ=ゴットフリート(Sakura Inoue-Gottfriedt)と彼の娘エカジェリーナ・ゴットフリート(Ekajcherina Gottfriedt)が悪魔によって殺害されたことがわかりました」

「悪魔によって、ですか?」

「はい。エルフェンクランツ夫妻とゴットフリート夫妻は親交があったのですが、エスカローネの誕生前後に親交が途絶えています。これが何を意味するか、現時点ではわかりません」

ムッター・テレージアは机の上に置いてあったお茶を飲んだ。

そしてため息をつくと。

「このことは、エスカローネさんは?」

「知りません。エルフェンクランツ夫妻を実の親だと思っているようです。一つ、これは私の推測なのですが、エスカローネは金髪に青い瞳です。ですがエルフェンクランツ夫妻はそうではありません。これは遺伝的にありえないことです。一方、アーダルベルトは金髪に青い瞳でした。その妻サクラは茶髪に茶色の瞳だったようです。エスカローネの誕生には何か大きな秘密があると思われます」

「そうですか……ご苦労様でした。引き続き調査を続けてください」

「はっ! かしこまりました!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ