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recorder  作者: 白木 一
9/16

Influenced Insect.

 子どものころ平気だったものが、いつの間にか苦手になっている――。



 小学校の低学年だったときは、興味津々にわしづかみしたり、籠にいれて観察したりと、少年のような毎日を過ごしていた。



 特に理由も思いあたるふしもないのに、気付けば避けるようになっていたし、突然現れたら叫んでしまう。

 四本なら動物と変わらない。でも、六本もしくはそれ以上の脚が別々にうごめいてう姿には戦慄する。



 夏の終わりは毎年地獄だ。

 一斉に出現し、栄え、地面に転がるそれらは、私にとって核兵器と大差ない。

 処理することが不可能な時限爆弾は、いつも最悪な、そして絶妙なタイミングで発動する。

 最期の悲鳴をあげるだけならばまだしも、残り少ないはずの命を振り絞って地を滑るのだ。こちらの方がそれを超える奇声を発し、遁走とんそうするのが日常茶飯事。



 ある日のことだった。

 散歩していると、私はそれに出会った。この場合は「出遭った」が正しいかもしれない。

 蜘蛛の巣に引っかかった、絡まった、一匹の蝶。蛾かもしれないけれど、どっちでもいい。

 それは、とても、美しいはねをしていた。

 気持ち悪いよりも不気味よりも、綺麗だなと、かつてのように手を伸ばしていた。

 触れた途端に、それは存在そのものが消えた。

 美しく散る花火のように、はかなく。あっさりと。

 指に絡まった無数の糸だけが、そこに何かがあったのだと示していた。



 子どものころ平気だったものが、いつの間にか苦手になっている――。

 好きか嫌いかの境目は曖昧で、針がどちらに振れるかは、ささいなきっかけで変わる。



 今は――。

こんにちは、白木 一です。


本当にダイッキライです。

道路に転がっていて、気が緩んでるところに、ドカン。

心臓に悪いですよ。

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