表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
recorder  作者: 白木 一
7/16

G.

 私のが、何かをかじっていた。ご飯の時間でもないし、おやつもあげてないのに、一心不乱に何かにかぶりついていた。

 それは、一匹の虫。

 世界のいたるところに棲み、日本に住んでいれば多くの人が目にするであろう、ごまんとどころか億・兆単位で分布している虫。

 人間の生まれるはるか昔、およそ三億年前から存在している生きた化石。

 たとえ身体を裂かれても一週間は生存したり、飲まず食わずで一月は耐えられたりするものもいる。

 人間をかんだり、垢や髪の毛を食べたりもするらしい。

 一般的な種は二秒で三メートルを這うと言われている。それを三センチとすれば、現在は百七十センチの私が、一秒で八十五メートル走るのと同じ。

 まさに瞬間移動してるみたい。


 とりあえずそれの残骸を捨てて、部屋の掃除をして、うちのを風呂場に拉致。歯磨きした上で全身くまなく洗う。

 食べてしまったものはしょうがないとして、病原菌を媒介するんだから、部屋はアルコールとかで除菌したほうがいいかもしれないなんて考えていたら、部屋の隅に大量の死骸……。

 あんた……どんだけ食べてんのよ。

 しかし、私の家にこれだけ棲んでいたとは――。


 ――一匹いれば三十匹いると思えというのも、案外事実かもしれない。

私は、何もしない。

ゴットファーザーが駆逐してくれるから。


彼が留守の場合は、やむを得ず、プラスチックのバットを叩きつける。

潰した感触さえわからないくらいに思い切り。

残骸はテイッシュを被せて、殺虫剤まぶして、ティッシュを被せて、ティッシュを被せて、捨てる。外のゴミ箱に。

スプレーかけて床を吹いて、駆逐が完了する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ