レベルアップ
我はかなりの期間レベルアップを抑制していた。
戦力の不足がないことに加え、偽の主の干渉によって望ましくない変化がもたらされることを警戒していたからだ。
しかし、この際、レベルアップによって起こり得る変化を確定させておいた方がよいかもしれないと思えてきた。
アリスとフェイの行動が、自分の属性に与える影響が無視できない。
天界にも地獄界にも干渉されにくい真の中立を目指す上で、力づくに過ぎる今の状況はあまり良いとは言えない。
我が功罪評価表は今のところ混沌と邪悪で真っ黒になっていることだろう。
破戒僧に悪魔の体、元来の姿と言えなくもないが、少々足掻いてみなければ。
「アリス」
「はい?」
「フェイ」
「はい!なんでしょう!」
「レベルアップをする。それがしの姿がもし変わってしまっても驚かないでくれぬか」
「「もちろんです!!」」
『経験値変換』
心の中で唱えてみる。
「全て消費してもよろしいですか。現在の経験値を限界まで消費すると96レベルまで上げることが可能です」
肯定。
42から96レベルまで、相当な上昇だ。
しかし、今までのように洪水のようにステータスの変化を羅列するメッセージは流れなかった。
「アップデートによる変更がありました。各種の変更は現在適用中」
それだけだ。
なんだ。視線の位置がいきなり変わった。
背が、低くなっている……。
我は、大きく目を見開いたアリスとフェイの上に、"ステータス"を重ねた。
名前:ヨーハン・ハイデンベルク
種族:混沌の渦
称号:墜ちた者
称号:造物主(仮)
職業:レッサー・デミウルゴス
後見人:
レベル:96
経験値:0
HP:4211
MP:特殊(制限無し)
力:125
敏捷性:198
正確性:172
魔法力:特殊(制限無し)
耐久力:145
十二片十二翼
欺瞞・真実の翼(相反・使用不能)
貪欲・清浄の翼(相反・使用不能)
誘惑・貞潔の翼(相反・使用不能)
悪逆・信実の翼(相反・使用不能)
非道・大道の翼(相反・使用不能)
無道・正義の翼(相反・使用不能)
肉体技能
専用武器使用(常時拘束)
神聖・邪悪属性付与(使用可能・使用制限無し)
エーテル実体化(常時使用)
精神技能
全知(制限有り)
召喚魔法(使用可能・混沌からの召喚にボーナス)
異界との通交(使用可能・混沌との通信にボーナス)
万能魔法知識(オールドワールド限定・専用武器使用時限定解除)
万能言語知識(オールドワールド限定・専用武器使用時限定解除)
混沌魔法
混沌の呼び声(特殊)
混沌から造られし者(特殊)
眷属
アリス(聖戦士・司教・混沌の渦教団)レベル89
フェイ(聖闘士・司祭・混沌の渦教団)レベル87
我がステータスは常人と大差ないものになってしまっていた。
こんな弱い神がいていいものか。




